アニメ「無職転生~異世界行ったら本気だす~」観てますか?
愛しの師匠ロキシーとも別れ、ルディは御神体(ロキシーのパンツ)に祈りを捧げる日々を過ごす。
そんな中、ロキシーがくれた外の世界でルディははじめての友達を得ることになるんですね。
今回はその友達に注目です。
ロキシーがくれた世界
ロキシーがルディに残してくれたものはとてつもなく大きかったですね。
転生前の記憶に囚われていたルディは、ロキシーに連れ出されるまで異世界においてもずっと引きこもり状態だった。
ロキシーはただのきっかけを作ったに過ぎないのかもしれないけれど……ルディにしてみれば魔術が使えることよりも大事なことだったんだと思う。
そして今ルディは一人で外出できる。
美しい自然の中、ルディが一人、外の世界を散策する様子はOPテーマの美しいメロディと相まって、なぜだか感極まるものがあった。
この作品、ワンシーンワンシーンがとにかく美しいんですよ。
特に自然風景の描写や角度のとり方など、異常なまでに背景にこだわりまくってる。
そんな美しい世界もすべてはロキシーのおかげとも言える。
この一気に世界が広がる感じ……個人的にはとても気に入っています。
シルフィとの出会い
ついにルディとシルフィが出会っていましたね。
シルフィはルディにとってもとても大切な存在の一人なのですが……二人の出会いはまさにテンプレ中のテンプレ……にも関わらずクソ丁寧な描写のおかげで王道の良さが際立つんですよね。
元いじめられっ子のルディ的には、いざいじめっ子を目の当たりにするとどうしても腰が引けてしまうところもあるわけですが……父パウロの教えを建前にシルフィを助ける様は、元引きこもりという点を考慮すると上出来すぎなんじゃないでしょうか。
それにしてもシルフィのキャラデザ秀逸すぎるな。
ルディも大概いい感じだけど……この二人が並ぶと絵面が一気に映えますね。
また出会った当初のシルフィのおどおどした雰囲気もとても丁寧に描かれてますよね。
特に激しいシーンがあるわけでもないのに、ルディとシルフィの一挙手一投足についつい見入ってしまうものがあるなぁ……。
シルフィは一部エルフの血が入っていることもあり、耳のトンガリが特徴的な一方で、髪の色はロキシーが教えてくれたスペルド族と同じエメラルドグリーンなんですよね。
額に赤い宝石こそないものの……シルフィはその見た目でまだ幼いながらも随分と苦労しているようで。
助けてくれたルディの言うことも怯えながらも素直に聞いてしまうあたりに、シルフィへの同情を禁じえない。
でもそんな暗い過去はもうここまで。
ルディとシルフィの出会いは二人の運命を大きく変えるものになりますからね。
理はルディにあり
パウロがルディに完全敗北していましたね。
イジメっ子のウソの主張を完全に鵜呑みにしたパウロは、ルディの釈明を聞くこともなく一方的に断罪しようとするわけですが……この光景、おそらく子供の時分に似たような経験をした人も多いんじゃないでしょうか。
人間、どうしても先にインプットした情報を基準に物事を判断しがちになりますからね。
そして今回、パウロは間違った情報を先に得た。
ルディが口を開こうとするたびに、パウロは問答無用でシャットアウト……傍から見ているだけでもかなりストレスフルな状況ですよね。
ただ、こういう口論に関しては、ルディのほうが一枚上手だったりする。
その場をやり過ごすため謝ることはとても簡単……けれどもルディはパウロへの逆教育のため、あえて辛辣な論法でねじ伏せていた。
ちょっと胸がすきましたね。
実際、今回の騒動は完全にルディのほうに理があるわけだし、そもそもパウロの頭ごなしな決めつけは本人の今後のためにもよろしくない。
何より、イジメっ子側が正しいと判断されるのは、個人的に我慢ならない。
とにかく理はルディにあり。
無詠唱仲間
シルフィも無詠唱使えるようになっちゃいましたね。
無詠唱魔術はロキシー師匠でさえ使えない、いわばルディの専売特許的な部分もあったわけですが……ルディの教えを受けたシルフィは半年ののち、無詠唱での水魔法に成功する。
無詠唱はルディにとって大きなアイデンティティだったのに……やっぱりエルフの血にはかなわんのか?
おそらくシルフィにはもともと魔術的な素養があったんだと思う一方で、ルディの教え方が上手だったのもあるのでしょうね。
そんなルディの師匠であるロキシーは、シルフィにとっては師匠の師匠に当たるのか……な?
ともあれ無詠唱の仲間ができたのは単純に喜ばしいことだと私は思う。
ルディがどう思ってるかは知らんけど。
「彼」は「彼女」だった
ずっとルディに男だと思われていたシルフィ……いろんな意味でちょっと可哀想でしたね。
このあたりの描写、小説や漫画ならともかくテレビではどうなんだろう……と少し心配していたのですが、予想していた以上にガッツリと描ききっていましたね。
シルフィにとっては羞恥極まりないとてもショッキングな出来事となってしまいましたが。
まさかシルフィも不意打ちとはいえ、同年代の男の子に全裸にひん剥かれるとは思いもよらなかったでしょうね。
部屋に入ってきたパウロもこのあんまりな状況に、少々解釈違いを起こしていたし。
実際のところ、ルディはシルフィのことをずっと男だと思っており、パウロの想像するような好奇心は下心なんてかけらもない。
せいぜいショートソードかブラックブレイドの違いくらいしか考えてなかった。
一方でシルフィはさらに追い打ちをかけられる。
シルフィ的には自分が女であることを隠していたわけでもないので、当然ルディにも「女」として認識されてると思っていた。
ところが、ルディは完全にシルフィのことを「男」だと認識していたという……ある意味ひん剥かれたことよりもショックだったかもしれない。
これはもうルディも言い訳しようがないですよね……。
「彼」と「彼女」……世の中には決して間違えてはならないものもある、という事実を改めて再認識させられました。
とはいえ、この事をきっかけに、パウロはルディとシルフィを取り持つ形で多少なりとも男親としての威厳を回復していたし、ルディもシルフィとの間の気まず~いわだかまりを解消できた。
そして最後に今回のタイトルである「友達」で締めくくられるという。
はじまりから終わりまでとてもよく練られた構成に脱帽するしかありませんでした。
次回もとても楽しみです。
以上、アニメ「無職転生~異世界行ったら本気だす~」第3話の感想でした!
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