映画「鹿の王 ユナと約束の旅」感想!タイトルの意味深さに震える

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映画「鹿の王 ユナと約束の旅」を観てきました。

 

「鹿の王」は上橋菜穂子の同名小説を原作としており、アニメ制作は「精霊の守り人」を手掛けたProduction IG。

 

コロナ禍の影響で上映が延期され続けてきたわけですが、2022年2月4日、無事公開と相成った次第ですね。

 

というわけで、今回は映画「鹿の王 ユナと約束の旅」の感想について書きますね~。

 

 

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期待半分、不安半分だったけど……

 

 

映画「鹿の王」、ちょくちょく他の映画の予告で観てきたわけですが……大きな期待を抱く一方で、そこはかとない不安も多少ありました。

 

  1. 主要キャラの声優陣が本職ではなく俳優であること
  2. どことなく「ゲド戦記」と雰囲気が漂っているように感じたこと

 

今回、主要キャラの声を担当していたのは

  • 堤真一
  • 竹内涼真

の3名。

 

いずれも個人的に大好きな俳優さんではあるのですが……アニメにおいては話は別。

 

良い俳優が良い声優とは限らない。

 

今回の俳優さんはいずれも素晴らしい声質の持ち主……けれどもそれがアニメにマッチするのかといえばちょっと微妙なところがあるんですよね。

 

本職の声優さんほど滑舌が良いわけではないので、聞き取りにくい部分がちょくちょく出てくる。

 

声よりも演者本人がちらついて集中できないこともある。

 

声の抑揚がどうしても物足りなく感じる。

 

ただ、今回はそれ以上に役どころにマッチしてた。

 

登場当初こそ多少の違和感はあったものの、物語が終わるころにはむしろ感情移入しまくってた。

 

ちゃんと考えられた上でのキャスティングであると納得できた。

 

つまり良かった。

 

そして次に「ゲド戦記」的雰囲気について。

 

「ゲド戦記」の時は作品タイトルのビッグさに比べて、本編のクオリティがまったく追いついていなかった。

 

特に背景美術のクオリティが。

 

今回の「鹿の王」についてもなんとなくその懸念があったのですが……これについては半々といったところでしょうか。

 

リソース不足なのか、あえて狙ったタッチなのか……そのあたりはよくわからん。

 

ただ、今作のような自然描写が多い作品ならば、もっと緻密な描き込みがあったほうがより一層迫力があったように思うんですよね。

 

時折「えっ?」と思うような雑な背景がちらちらと目に付き、少々残念な気持ちになる場面もあった。

 

どうしても「もののけ姫」と比べてしまうんですよね。

 

でも、全体的なクオリティとしては十分に満たしていたとは思います。

 

結果的に、不安要素は思っていたよりも少なく、むしろ期待していた以上の良作だったと今は感じています。

 

 

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賛否の分かれる作品

 

 

映画「鹿の王」は決して万人受けする作品ではないと思う。

 

見る人によって賛否は大きく分かれるでしょう。

 

むしろ否定的な意見のほうが多いかもしれない。

 

今作は本来長編である原作を無理やり2時間の枠に収めたこともあり、全体的に説明が少なく淡々と早いテンポで物語が進行していく。

 

そのため、全体的な抑揚が少なく感じられ、名称は相関関係などの整理が追いつかず、置いてけぼりにされる人もそれなりに多いと思う。

 

私は原作未読で鑑賞したため、情報整理に戸惑った部分が少なからずありました。

 

おそらくは原作から大きく削られた部分も多いはず。

 

でも、物語の骨子はしっかりと残っていると思う。

 

主人公であるヴァンはびっくりするくらいセリフが少なく、情報も少ない。

 

反面、ヴァンに対する興味は尽きず、もっともっとと知りたくなる。

 

そしてヴァンの心情を徐々に理解するにつれ、その心の傷の深さと、ユナに対する心情の変化に思わず共感してしまう。

 

また、そんなヴァンにつられるように、周囲の人々も徐々に徐々に変化していく。

 

決して勧善懲悪で終わらない。

 

言葉にできない深さとわかりみがこの作品にはあるんですよね。

 

単純に映像的なインパクトを求めるのならば、この作品は本当につまらないと思います。

 

けれども今作の魅力はそこじゃない。

 

観終わったあとのなんとも言えないあの余韻……映画「鹿の王」はそんな感覚をもたらしてくれる良作だと私は思います。

 

「鹿の王」……その言葉の持つ意味深さを是非劇場で味わってほしいものです。

 

さて、順番は逆になったけど、今から頑張って原作読むか!

 

 

以上、映画「鹿の王 ユナと約束の旅」の感想でした!

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