2018ドラマ「下町ロケット」観てますか?
前回の第9話では野木教授に責任転嫁しようとした的場と奥沢に対し、藤間社長の鉄槌が下り、帝国重工製造部がアルファ1のプロジェクトから外されましたね。
また、「佃航平 vs 佃利菜」ならぬ「佃製作所 vs 帝国重工」の新型バルブシステム対決も圧倒的な性能差を見せつけて、佃製バルブの圧勝という結果に終わるなど、佃製作所にとっては悪い流れを払拭するような幸先の良い回になっていたと思います。
しかし農作業ロボットにおいては、ダーウィンに大きく差を付けられていることには変わりありません。
ここからどう巻き返していくのか?
というわけで、今回は2018ドラマ「下町ロケット」第10話を視聴した感想について書きますね~。
島津はどこへゆく?佃と伊丹のアプローチ
ギアゴーストの伊丹と袂を分かち、佃製作所の誘いも丁重に断り、今は大学のアルバイト講師の島津。
カリフォルニア工業大学への推薦を取り付けたところ、島津はふたたび佃から熱烈なアプローチを受けます。
エンジンには自信があるものの、トランスミッションにおいては絶対的に経験値が足りない佃製作所は、帝国重工からの「エンジン」と「トランスミッション」の部品供給の依頼について社内でも意見が割れるなど、さすがの佃も決断するには至らず。
島津というエンジニアを心から欲する佃の言葉は、きっと島津の心にも響いているはずなんですが、佃の携帯はなかなか鳴ることがありません。
テレビで観ているだけの私には佃社長の心意気がグイグイ伝わってきましたけどね。
頼みの綱は佃が手渡した一枚のメディアにありそうです。
一方、ギアゴーストの社長である伊丹も島津に「戻ってこないか?」とアプローチをかけます。
後任に氷室という技術者を入れておきながら、島津に声をかける伊丹の行動はどこか一貫性にい欠いているように思われます。
伊丹は裏表が激しすぎる。
もはや「ギアゴースト編」と「ヤタガラス編」では完全に別人格としか言いようがありません。
佃と伊丹、二人からアプローチを受ける島津にタイミング良く(悪く?)送られてきたのはカリフォルニア工業大学からの採用通知。
果たして島津はどこへいこうとしてるのか?
「島津裕」を超えるのは「島津裕」しかいない
「エンジン」と「トランスミッション」、帝国重工からはこの2つの部品供給の話を頂いているわけですが、佃製作所の社内では「エンジン」のみの部品供給に傾きつつある中、佃社長は社員達を集めて、あらためて帝国重工の依頼を前向きに受ける方向で考えていることを伝えます。
エンジンについては製品化の実績もあり自信もあるけれども、トランスミッションについては製品化の実績もなければ、圧倒的に経験値が足りない。
ましてやダーウィンに搭載されているのは、あの天才・島津が設計したトランスミッション。
生半可な覚悟では到底太刀打ちできません。
「島津裕」を超えるのは「島津裕」しかいない。
驚くべき佃の言葉に続き、佃製作所の社員達の前に姿を現したのは、いつものようにクマのバッグを肩にかけた「島津裕」本人。
最高の演出です。
部屋に入ったとたん、歓喜に湧く佃製作所の皆の姿を観て島津はポカーンとした表情を浮かべます。
ようこそ、佃製作所へ。
島津、ついに収まるべきところに収まりましたね。
個人的には、みんながスタンディングオベーションで迎える中、ただ一人軽部だけが拍手もせず無表情にポツンと座る姿が印象でした。
軽部も島津のことは認めていると思っていたのですが、その胸中は本人にしかわかりません。
軽部ってセリフこそ少ないけど、毎回毎回、ついつい画面の中を探しちゃうんですよね。
実はいちばん野暮ったかった!そんな軽部が大好きだ
トランスミッションチームのリーダーに就任した島津によって、トランスミッションの改善が劇的に進む一方、リーダーの座を降ろされることになった軽部は開発が追い込まれる中にあっても相変わらずの定時上がり。
軽部が担当しているのはトランスミッションの応答速度の改善。
一向に進まない軽部の進捗状況を見かね、立花&加納コンビはヤキモキしながら食って掛かりますが、逆に「野暮ったい」と一蹴され、軽部にいつもどおり定時退社されてしまいます。
チームリーダーの島津は「軽部を信じて任せる」というものの、立花と加納のコンビは納得いきません。
見かねた山崎部長は二人を飲みに誘い、軽部からは口止めされていた「ある事情」について話します。
軽部には心臓疾患をかかえた一人娘がいて、毎日病院に出迎えに行かなければならないんですね。
だから毎日いったん定時に退社する必要があったんです。
娘に見せる笑顔が良かった。
原作にはないドラマならではの軽部の設定ですが、これはなかなかいいアレンジだと思います。
山崎部長から軽部の事情を聞いた二人が会社に戻ったところ、そこにいたのはなんと軽部。
ひとり黙々とトランスミッションのパーツの動作検証を行う軽部の姿を見た立花と加納の二人は、軽部のことを「野暮ったい」と評し、そっとその場をあとにします。
素晴らしい技術力を持ちながらも、人と馴れ合わず、何を考えているのかわからない軽部ですが、実は人一倍技術者としてのプライドを持ち合わせた「孤高のエンジニア」だったんですね。
家庭の事情を言い訳にすることなく、軽部は軽部で不器用ながらも最善の努力をしていたんですね。
まわりには理解を得られにくい損な性格かもしれませんが、私はそんな軽部が大好きです。
佃製作所の新たなコンビ誕生か?「軽ちゃん&島ちゃん」
トランスミッションの反応速度の改善を、島津の要求水準以上の見事な結果で応えてみせた軽部。
トランスミッションのリーダーの座を奪われることになり、さぞ面白くないであろうと思われた軽部でしたが、今回は立花と加納の二人の相手をせずに集中できた、とむしろ島津がリーダーになったことは好都合だったようですね。
「これからもよろしく、軽ちゃん」
「よろしく、島ちゃん」
この二人の会話に私も思わず「ニヤリ」としてしまいました。
島津もおそらくは軽部の家庭の事情については知らされてなかったと思うのですが、同じエンジニアとして軽部のことを信じぬいた結果、この良好な関係が生まれることになったのでしょうね。
この二人は今後、佃製作所の屋台骨になることは間違いありません。
伊丹よ、逃した魚はとてつもなく大きかったぞ。
動きの早いダーウィンプロジェクト、難航するアルファ1
ダイダロスを筆頭とする「ダーウィンプロジェクト」が、30台もの無人農業ロボット「ダーウィン」を各農場でテスト運用の展開をかける一方、帝国重工の無人農業ロボット「アルファ1」はテスト運用を引き受けてくれる農場すら決まらず、相変わらず後塵を拝する始末。
殿村の農場にも白羽の矢を立てるものの、親父さんに話も聞いてもらえず、農場探しは難航を極めます。
「ダーウィンプロジェクト」の連中、いつも「アルファ1」の転倒動画を見てキャッキャと喜びながら、いつも飲んだくれてるようにしか見えないのですが、ちゃんと仕事してたんですね。
「アルファ1」の転倒動画はすでに何万回も再生されているとのことですが、私の中では9割くらいは「ダーウィンプロジェクト」の連中が再生してる疑惑が新たに浮上しています。
ボーリングに財前部長も参戦?
島津のたっての希望により佃製作所のメンバーでボーリングに繰り出すことになったのですが、いきなり迫田の顔のアップというチャレンジングな絵面に少し驚いてしまいました。
残念ながら迫田の一投はガーターに終わり、佃製作所のメンバーからは嘲笑されてしまいます。
そこに登場したのは帝国重工の財前部長。
以前にもボーリング場まで押しかけてきたものの、そのときは一投もすることなく終わったのですが、今回は立花の口から出た「スポーツとか苦手」発言を聞き、財前部長の目がピクリ。
立花の発言でみんなが一斉に気を遣い出す中、少しムキになってしまったのか?
「では、1球だけ」
マジモードに入った財前、見事なフォームから繰り出された一投はきれいな軌道を描いて見事ストライク。
「お恥ずかしい」という財前の言葉に、佃は結構本気で「お恥ずかしい」と返します。
財前が投げる前にはちょっと憐れみすら見せていましたからね、佃さん。
いつか本気でボーリング対決してみてはいかがでしょうか。
記録的な大雨!殿村家の米は全滅!
米作りにかける父の熱い思いを知り、農業を受け継ぐため佃製作所を退職した殿村。
佃とはお互いに別々の道を進むことになった殿村ですが、その後のこまめに電話で近況を報告し合うなど、友達として二人は良好な関係を続けています。
佃や財前達が田植えを手伝った田んぼから、あと一ヶ月もすれば収穫ができる。
一番最初に社長に食べてもらいたい、という殿村の思いも虚しく、殿村家の米は記録的な大雨の影響により全滅してしまいます。
自然を相手に営む農業は本当にリスクが高いですよね。
そんな中、支援物資を持って駆けつけてくれたのは、もちろん佃社長。
佃製作所のみんなから集めた心ばかりのお金が入った封筒を渡し、さらには再開の目処が立つまで佃製作所に戻ればいいと温情ある言葉をかけますが、殿村は佃の提案を丁重に断り、今まで以上においしい米を作ることを宣言します。
そんな殿村の気丈な姿に、佃は殿村の覚悟の強さを改めて思い知るばかり。
その後、殿村は吉井のいる農林協に融資を申し込むも、理不尽な対応で受理されず、同業の稲本には同情すると見せかけてイヤミたっぷりな言葉を掛けられるなど、殿村、まさしく踏んだり蹴ったりです。
とても佃と同じ人間とは思えない仕打ちですよね。
吉井と稲本は佃の爪のアカを煎じて、毎日10杯くらいは飲めばいい。
少しは人間らしくなれるかもしれない。
対等な関係とは?佃の覚悟
殿村の覚悟を甘く見積もり、軽々しく「戻ってこい」と声をかけたことを航海する佃。
友達である殿村をなんとか助けてやりたい、そんな思いを社内で島津と話すのですが、そこで島津の口から出たのは「対等」という言葉。
ギアゴーストをやめた島津を「同情」ではなく必要だからと「対等」に接してくれたことが嬉しかったという島津は、「エンジン」と「トランスミッション」のように対等な関係を殿村もきっと望んでいるのではないか、と話します。
原作にはないドラマならではのシーンですが、これもまた良い演出だなぁと私は感じました。
佃は社長という立場を振りかざすようなことはせず、あくまでも責任を取る立場として振る舞う男です。
- 島津を会社に迎えるにあたっては、本心をぶつけて真摯に説得
- 殿村を送り出した後は、友達としての関係を築き
- 財前部長にも媚びへつらうことなく対等なビジネスパートナーとして接する
島津の言葉で佃はある覚悟を決めることになります。
農業のため!友のため!佃航平・魂の説得!
融資を受けるためには「殿村家の米」という独自のブランド米をやめ、農業法人に入らなければならない。
思い悩む殿村のもとへ「話がある」と佃からの電話が入ります。
殿村の実家に訪れた佃、山崎、財前の3人。
一度は断られた無人農業ロボットのテスト運用のため、佃はふたたび殿村の父親への説得をはじめます。
無人農業ロボットに否定的な殿村の父は、今回のような人の不幸につけこむ汚い商売のやり方に激しい嫌悪を示します。
商売について否定しない佃は「意義」という言葉を使って、農業の未来を本気で憂い、金儲けのためだけでなく、「農業を救う」という大きな目標に向かって、ひとつひとつ問題を解決し前へ進む必要性があることを熱心に説明します。
またそれだけでなく、同じ佃製作所で過ごしてきた殿村のことを熱く語る様子は、本当に胸を打つものがありました。
農業のためだけでなく、友人(殿村)のためにも。
なんとか力になりたい。
助けになりたい。
佃の魂の説得は、いつも心が揺さぶられるものがありますね。
そんな佃の説得は、ついに殿村父の心を大きく動かします。
米作りに携わりながらも、米作りの将来についてはあきらめてしまっていた殿村父にとって、佃の魂の説得は、きっと大きな福音のように鳴り響いたことでしょう。
佃、山崎、財前、殿村親子。
みんな熱すぎる。
とくに山本學の熱演に涙が止まりませんでした。
まとめ
2018ドラマ「下町ロケット」第10話「最終回直前SP!自然の猛威が米を襲う!」を視聴した感想について書きましたが、いかがだったでしょうか?
第10話にしてようやく島津が佃製作所の一員として加わることになり、私もようやくほっとしました。
軽部に追加された原作にはないオリジナルエピソードも良かったですし、殿村家の説得シーンには胸が熱くなるなど、最終回直前SPということもあってとても見応えがある回だったと思います。
次回はいよいよ最終回ということで、ダーウィンとアルファ1のリベンジマッチが実現することになるようです。
果たしてどのような結末を迎えることになるのか?
年明け2019年1月2日には最終回の後日談がスペシャル特番として放送されることも決定しており、もはやまったく展開が予想できません。
以上、2018ドラマ「下町ロケット」第10話の感想でした!
- 第1話
『新シリーズ幕開け!ロケットから撤退か?
夢を諦めずに立ち向かえ!!』 - 第2話
『15億円をかけた戦早くも大ピンチ!
愛とプライドをかけろ!!』 - 第3話
『大逆転なるか!牙をむいた帝国重工に立ち向かえ』 - 第4話
『涙の別れ!鬼の経理が退社!!裏切者は誰?逆襲へ』 - 第5話
『完結!ゴースト編〜負けたら終わり!
予想不可能な展開!!逆転なるか!?』 - 第6話
『新シリーズに突入!
この国の未来のために〜帝国重工との対決』 - 第7話
『帝国重工が佃をつぶしにかかる!逆転へ』 - 第8話
『大企業に復讐しろ!
中小企業VS帝国重工食うか食われるか!?』 - 第9話
『最終章突入!
帝国の隠ぺい工作を暴けるか無実の親友を救え!』 - 第10話
『最終回前SP〜
台風から親友と米を救え・佃プライド!総力戦で立ち向かえ!』 - 第11話
『最後の大逆転なるか
悪党たちに立ち向かえ夢に向かって走れ!』 - 特別編
『新ステージに突入!最愛の人を守るために諦めるな!!
2019年も元気に大逆転なるか!?
ジャパン・ドリームは自然の猛威に勝てるか
佃プライドで挑む感動物語!』
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