ドラマ「半沢直樹(2020年版)」観てますか?
今回は帝国航空再建に伴うリストラを中心としたお話です。
ドラマならではの大胆なアレンジで、再び出番を得たロスジェネのあいつと、帝国航空の人間味あふれる財務部長、そして半沢の鬱陶しい同僚の末路に注目です。
傲岸不遜なタスクフォース
白井大臣と乃原弁護士のタスクフォースコンビ……あまりにも傲慢過ぎて、腹立たしいのを通り越して、むしろ爽快感すら覚えましたよ。
乃原役を演じる筒井道隆……過去に演じてこられた役柄は、どちらかというと優男が多かったように思うですが、今回の乃原役に関しては、過去のどの役にも当てはまらない。
あまりにも高圧的で、上から目線が甚だしい……特に口元を歪ませて半沢を罵倒する様子なんてもう、通報してもいいレベル……なんて柄の悪い弁護士なんだ。
でもそれがクセになる。
一方、白井大臣のほうは、某民○党の議員を彷彿とさせるようなセリフ回しや、冷酷さをたたえた顔のどアップ、三白眼の冷たい目線など、はじめから終わりまで、ずっと圧が強かった。
これもやっぱりクセになる。
中でも、この二人が東京中央銀行に乗り込んで、頭取を始めとする役員連中を相手に傲慢な態度をかます様子は、むしろ痛快ですらあった。
この二人にはぜひとも最後の最後まで元気いっぱいであって欲しい……そう思わずにはいられないくらい、気持ちのいいヒールっぷりだったと思います。
森山がまた出てきた
もう出番ないのかな? と思っていた森山が思わぬ形で出てきましたね。
前回は森山のお友達の瀬名社長が危ない橋を渡っていましたが、今回はリストラの受け入れ先絡みで森山がひょっこり登場。
しかも顔つなぎ役は、開投銀の鉄の女……半沢とは決して馴れ合うことはないものの、バンカーとしての矜持は半沢に負けないくらい、しっかりと持ち合わせている人なんですよね。
類は友を呼ぶ……とまではいかないのかもしれないけれど、半沢、森山、鉄の女ラインが出来上がったのは、個人的にはちょっと嬉しい。
こういう原作にないアレンジがあるから、ドラマが楽しみなんですよね。
この様子だと、今後も森山の出番はまだまだありそう……期待したいところですね。
リストラ先に思わずニヤリ
今回の再建案の最もキモとなる部分は、大規模なリストラ計画にあるわけですが……そのリストラの引受先にちらほらとどこかで見た企業名があるんですよね。
「トキワ自動車」といえば、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」でお馴染みですよね……ラグビーシーンがめちゃくちゃ熱くて、何度も鳥肌立てながら見ていたのを思い出す。
そしてもう一つは「帝国重工」……言わずとしれた名作「下町ロケット」に登場する大企業ですよね。
吉川晃司演じる財前部長が大好きでした。
どちらもドラマ「半沢直樹」と同じ池井戸潤の作品ということで、ドラマ、原作ともども高い評価を得ているんですよね。
今回はリストラの引受先候補ということで、あくまでも名前だけの登場にとどまるものの……同じ作者の異なる作品がこうやって繋がりを見せる様は、ちょっと感慨深いものがありますね。
ああ、また見直したくなってきたわ……(遠目)
直樹と黒崎
半沢と黒崎って、もうある意味腐れ縁と言っても過言ではないんじゃないでしょうか。
政治的圧力を受けた金融庁は、黒崎を筆頭に東京中央銀行へと乗り込んでくるのですが……半沢を見つけたときの黒崎がもうめちゃくちゃイキイキしてるんですよね。
「な・お・き」と下の名前を呼び捨てにし、邪悪な笑みを浮かべながら、さらに高まるオネエ力……片岡愛之助自身も演じてて超楽しいんじゃないかと思う。
一方、半沢のほうはというと、黒崎に対する苦手意識を隠しきれず、終始その顔は苦渋に満ちてる。
でも、ただただ言われっぱなしというわけでもなく、言葉巧みにブーメランを投げ返すなど、なかなかの好勝負を繰り広げていたと思います。
今回は黒崎の部下役で宮野真守も初参戦ということで、どんな演技をされるのか密かに注目していたのですが……残念ながら期待するようなシーンはまだありませんでしたね。
ただ、セリフはほとんどないながらも、巧みな顔芸で存在感は醸し出してた……次回の宮野さんに期待ですね。
山久部長の苦悩に好感
石黒賢演じる山久部長の苦悩っぷりが、とても好感度高かったですね。
帝国航空の再建のためには、リストラが必要不可欠……ということで、そのリストラの陣頭指揮をしているのが山久部長なのですが……社員一人ひとりのことを考えている様子がとても丁寧に描かれているんですよね。
特に半沢に対して、感謝と恨みを同時に抱くところに、山久の複雑な胸中が察せられた……石黒賢の演技が光る。
また、社員の雇用を守るためなら、たとえ不本意でも自分が泥を覚悟を持ち合わせており、これまで出てきた登場人物達の中でも、飛び抜けた人間味を醸し出していたと思う。
曾根崎は誰が為に踊る
今回退場することになったのは、半沢の前任者である審査部次長の曾根崎雄也。
半沢に担当を取られたことを逆恨みし、腹の立つ顔と態度で、何かと半沢にウザ絡みしてきたわけですが……結局のところ、この曾根崎も操り人形に過ぎなかったんですね。
金融庁への虚偽報告も大和田の指示によるものだったし、山久部長への口裏合わせも、大和田もしくは紀本のどちらかが糸を引いているのはほぼ確定。
かといって、半沢に追い込みをかけられても、誰が主犯かを暴露する勇気もないもんだから、結局無様な土下座を晒した挙げ句、すごすごと退場してしまった。
正直なところ、ドラマ内で登場する人物の中で、一番腹立たしく感じていたものの……操り人形であることがわかってからは、一転してとても哀愁が漂っていて、思わず同情してしまった。
とはいえ、半沢に「恥晒し!」と罵倒されるシーンは、ただただ見ていて気持ちよかった。
可愛そうだけど、曾根崎の出番はこれにて終了、となりそうですね。
まとめ
ドラマ「半沢直樹(2020年版)」第6話を視聴した感想について書きました。
今回は帝国航空のリストラを巡るお話を中心に、タスクフォースの理不尽な圧力や、いつも以上に楽しそうな黒崎さん、そして操り人形・曾根崎による裏切り行為などなど、胃に穴が空きそうな展開ばかりでしたね。
とはいえ、リストラに関して言えば、山久部長の人間味あふれる苦悩や、ロスジェネ森山の再登場……そして池井戸作品でお馴染みの「トキワ自動車」や「帝国重工」といった名前も出るなど、思わぬアレンジに思わずニヤリとさせられました。
残念ながら、今回は最後の最後で政治的圧力に屈する形となってしまったわけですが……半沢の「倍返し」が出たので、たぶん次回は半沢のターン。
痛快な「倍返し」を期待したいところですね。
以上、ドラマ「半沢直樹(2020年版)」第6話の感想でした!
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