映画「七つの会議」を観てきました。
原作・池井戸潤、監督・福澤克雄のお馴染みのタッグということで公開前からとても期待していたわけなんですが、なんだかんだで観に行くタイミングを逃してしまい、気がつけば公開終了直前の滑り込みでの鑑賞になってしまいました。
結論から申し上げますと、本当に観に行ってよかった。
というわけで今回は、
を鑑賞した感想について書きますね~。
野村萬斎演じる八角のクセが強い
「七つの会議」の主人公・八角民夫(やすみ たみお)は万年係長の社内でも有名なグータラ社員でもあります。
- 重要な会議の席では大きなイビキをかいて居眠り
- 周りが忙しくしていても定時退社、そして有給休暇
- 上司を上司とも思わない人を食った態度
そんなクセの強い通称・八角(はっかく)を演じるのは狂言師の野村萬斎さん。
パワハラが横行し、サービス残業の同調圧力が厳しい中、まったく空気を読まずに飄々とやり過ごす姿は、見ていて本当に痛快で気持ちいい。
社会人なら、どこの会社でも似たような場面に出くわした経験を持つ人は多いと思われるのですが、この「七つの会議」においては、実際に同じ状況に置かれたら自分だったらどう振る舞うだろうか?と考えさせられる場面が多々あるんですよね。
その場面場面において八角が取る行動は、ある意味どれもタブーばかり。
しかし、そんな生き様を「羨ましい」と感じてしまう自分もいるんですよね。
八角のクセの強さが見ていく内にどんどん「クセ」になる
「会議」は「居眠りの時間」と断言する八角に思わず笑ってしまいましたよ。
「下町ロケット」「陸王」「半沢直樹」でお馴染みの役者陣
映画「七つの会議」は、監督が福澤克雄さんということで、過去にTBS日曜劇場で放送された池井戸潤作品に登場した役者さん達が多数登場します。
香川照之(北川誠 役)
- ドラマ「半沢直樹」:大和田暁
- ドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」:諸田清文
及川光博(原島万二 役)
- ドラマ「半沢直樹」:渡真利忍
片岡愛之助(坂戸宣彦 役)
- ドラマ「半沢直樹」:黒崎駿一
音尾琢真(三沢逸郎 役)
- ドラマ「陸王」:城戸明宏
朝倉あき(浜本優衣 役)
- ドラマ「下町ロケット」:加納アキ
木下ほうか(田部 役)
- ドラマ「下町ロケット」:水原重治 役
吉田羊(淑子 役)
- ドラマ「半沢直樹」
土屋太鳳(三沢奈々子 役)
- ドラマ「下町ロケット」:佃利菜 役
小泉孝太郎(奈倉翔平 役)
- ドラマ「下町ロケット」:椎名直之 役
春風亭昇太(飯山高実 役)
- ドラマ「下町ロケット」:柳井哲二 役
立川談春(江木恒彦 役)
- ドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」:坂東昌彦 役
- ドラマ「下町ロケット」:殿村直弘 役
世良公則(村西京助 役)
- ドラマ「下町ロケット」:貴船恒広 役
北大路欣也(徳山郁夫 役)
- ドラマ「半沢直樹」:中野渡謙 役
ほとんどの有名キャストが過去の池井戸潤原作のドラマに出演しているという、異例の豪華ラインナップとなっています。
だからTBSの池井戸潤原作ドラマが好きだった人は、映画「七つの会議」も絶対面白く感じると思うんですよね。(偏見)
香川照之の演技が今回も熱い!
池井戸潤作品に限らず、TBS日曜劇場のドラマで数々の役を熱演してきた香川照之さんが、今回も熱い熱い演技を見せてくれます。
基本的には超パワハラキャラなのですが、ところどころに見せるお茶目なキャラが面白くって、特にドーナツを美味しく食べるシーンはクスッと笑ってしまいました。
そんな彼も親会社のかつての上司には歯向かうこともできず。
同期の八角とは大局的なサラリーマン人生を過ごしてきたわけなんですが、終盤で流す香川照之の涙は誰よりも熱かった!
限りなく黒に近いグレーゾーンにいる北川という役を見事に演じられていましたね。
及川光博と朝倉あきの二人のコンビに癒やされる
- 少し弱気な営業課長・原島を演じるのは及川光博
- 社内不倫の末、ウソの「寿」退社する社員・浜本を朝倉あき
この二人、どちらも根がいい人の小市民的なキャラクターで、ある意味観る人に一番親しい等身大のキャラクターとしてとても親しみが湧くんですよね。
そんな二人が八角を嗅ぎ回る姿がなぜか妙に可愛くて可愛くて。
特に社内の「ドーナツ」エピソードが好きです
いつの間にか二人コンビで行動するようになってるんですが、殺伐とした社内においてこの二人の存在は一服の清涼剤のような清々しさと癒やしをもたらしてくれるんですよ。
でも野村萬斎と朝倉あきの組み合わせもなかなかのものがありましたね。
日本の会社への皮肉がスゴイ
池井戸潤作品には「勧善懲悪」や「大企業と戦う中小企業」、そして「銀行は悪」といった感じの「必勝パターン」が出来上がっているのですが、今回の作品はそのどれにも当てはまりません。
むしろ、今の日本の会社のあり方を八角という人物を通じてメチャクチャ皮肉ってる描写がとても多いです。
その最たるものがエンドロールでの八角の語り。
私も最近まったく同じようなことを考えていたこともあって、メチャクチャ納得してしまいました。
日本の会社の闇は深い・・・
池井戸さんってこういう作品も書くんだな~と改めて感心してしまった次第です。
まとめ
映画「七つの会議」を観た感想について書きましたが、いかがだったでしょうか?
劇場公開されてから随分と高い評価を受けている映画「七つの会議」、私は極力情報を入れないようにして今回の映画鑑賞に臨みました。
公開から日がたっていることもあり、正直ギリギリまで観に行こうかどうか迷っていたのですが、今は本当に観に行ってきてよかったという気持ちでとても満足しています。
「七つの会議」は決して他人事ではない。
どこにでも起こりうる、まさに等身大の作品だと言えるでしょう。
ある意味、定期的に社内で上映してもいいくらいの作品だと感じました。
それくらい素晴らしかった
以上、映画「七つの会議」の感想でした!
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