アニメ「不滅のあなたへ」観てますか?
今回はなんといってもピオランですよ。
親切な店主に感謝
フシを待ち続けるピオラン……そんな彼女に親切にする店主の対応に胸が温かくなりましたね。
フシはピオランの近くまで来てはいたものの、ノッカーの襲来に巻き込まれることへの葛藤から声をかけられずにいる。
ピオランの晩餐は豆がたった5粒という非常に寂しいものだった。
あの食にうるさいピオランが豆をちまちま食べてる姿はなんだか切なかったですね。
フシとしてもさぞかし心配が尽きない様子だったけれど……さいわい店主がとても親切だったんですよね。
ピオランの金がないことを承知で、豆5粒ながらも店内で皿に乗せて出し、納屋を仮宿として提供するだけでなく、朝食まで持たせてた。
名もなきモブキャラとしては突出していい人でしたね。
個人的にはただただ感謝の思いがこみ上げる、ちょっと胸熱なシーンだった。
フシは心配性
ピオランに対するフシのきめ細やかな心配がなんとも微笑ましかったですね。
ジャナンダ島での壮絶な経験は、フシに大きな成長をもたらした一方で、大切な人を失うことの恐怖をより一層強くしてしまったようだった。
結果、フシはピオランとはそのまま合流せずに別れる決断をするわけですが……ピオランとは長らく一緒に過ごした仲だから、いろいろと心配事も尽きないんですね。
寝床のピオランの横にそっと果物を置いてみたり、もう待たなくていいよ、という手紙を書いてみたり、夜寒くならないように毛皮を持っていってみたり。
別れるつもりが何度も何度も行ったり来たりするフシの姿にさすがの観察者も控えめにツッこんでましたしね。
そんなフシが迷走する様子は、ピオランに対する愛情の深さがとてもよくわかる名シーンだったようにも思います。
けれどもピオランもただのか弱い老婆じゃない。
犯罪者のレッテルを貼られ、ジャナンダ島に追い返されそうになったピンチの場面でも、相手の男の頭を杖で殴り撃退するなど、やっぱりピオランはピオランだった。
ピオランとの幸せな再会、そして別れ
フシとピオランの再会はいろいろとこみ上げてくるものがありましたね。
ピオランとの再会シーンでは、トナリの姿で別人を装うフシに対し、ピオランはなんの疑いもなくフシと断定……しっかりと力強くフシに抱きつく姿に少し目頭が熱くなった。
一人でいた時のピオランは終始険しい顔をしていたものの……フシと再会してからは一転して終始ごきげん状態。
特にフシのことを「孫」だと言及した際には、フシの中でも新たな変化をもたらしているようだった。
この二人、血のつながりどころか、生物学的にも同じとも言い難い存在とは言い難いものはありますが、もう完全な家族と言っても過言ではなかったですね。
そんな幸せを守るため、フシは今までにないくらい慎重に慎重を期してノッカーとの遭遇回避に努めてた。
ただ、残念ながらそんな幸せな日々は少しずつ、少しずつ終わりを迎えようとする。
ピオランが認知症になっちゃうんですね。
これはツライ。
なまじピオランの場合、90歳という高齢からは考えられないくらい元気なのに加え、もともと激しい気性と相まって、フシの負担は一気に膨れ上がってしまった。
けれどもフシは、ピオランの心が徐々に死んでいくような錯覚に囚われながらも、それに反比例して笑顔の時間が増えていく。
この様子は観察者も興味深く見守っていたことから、フシの内面に大きな成長があったものと思われる。
個人的には妙にリアルな認知症ピオランの描写に心が重くなりましたね。
そして最期の直前、ピオランはふと正気を取り戻すわけですが……この時、本来見えないはずの観察者に、生まれ変わってもフシのそばに寄り添いたいと強く強く願うんですね。
なかば恐喝に近い力強さすらあった。
この時に若き日のピオランの姿が描かれるんですけど……これは確かにキレイだわ。
ピオランいわく、やりたいことはすべてやり尽くした、と言ってただけのことはある。
フシにとって、ピオランとの別れは、まさに慟哭の一言に尽きたことだと思う。
けれども、ピオランの場合は、しっかりと天寿を真っ当した結果であって、自然の摂理に従ったもの。
しかし「死」という概念がないフシにとっては、非常に受け入れがたかったんじゃないでしょうか。
思えば、フシがノッカー起因以外の親しい人の死を看取ったのは、少年に続いて二人目になるんですね。
今のフシは人間としての自我がしっかりと確立されているから、ピオランの死はことさら堪えたことでしょう。
なにせ鼻が赤くなるまで泣いてたくらいだから。
でもこの経験はフシにとってはとてつもなく得難いものだとも思う。
ピオランにはぜひとも孫の今後を見守って欲しいものです。
そしてフシにはピオランの遺言に従って、精一杯やりたいことをやっていって欲しいですね。
次回もとても楽しみです。
以上、アニメ「不滅のあなたへ」第20話「残響」を視聴した感想でした!
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