アニメ「スーパーカブ」観てますか?
どストレートすぎるタイトルに「なにこの作品?」とちょっと興味を持ったが最後、そのままグイグイと引き込まれるクソ丁寧な描写と、主人公への共感が止まらなくなる。
アニメ「スーパーカブ」はそんな素敵な作品となっています。
というわけで、今回はアニメ「スーパーカブ」第1話「ないないの少女」の感想について書きますね~。
質素な生活をクッソ丁寧な作画で魅せる
こんなにも質素な生活の冒頭シーン、今までのアニメで観たことない。
シーン自体は誰しも似たような経験をした内容で、何の変哲もない生活感あふれるものなのですが……主人公の少女小熊の一挙手一投足からまったく目が離せないんですよね。
特別なことは何一つしていない。
けれども、似たような日常を過ごしたことがある人間からすると、彼女の行動には妙な共感を覚えるし、ふと気がつくと彼女の健康を心配する自分がいたりする。
朝置きて、水を飲み、パンにマーガリンを塗る。
たっぱに炊きたてご飯を詰め込み、おかずはレトルト食品をかける予定。
親元を離れて一人暮らしなのかな? と思っていたら、ナレーションでさらっと親がいないことを明かされる。
脳内が心配で埋め尽くされると同時に、彼女に対する興味が一気に掻き立てられてしまう。
日常シーンでこんなにも引き込まれたアニメはちょっと初めてかもしれない。
それも期待感というよりも、彼女に対する心配からくるものだったりする。
アニメ「スーパーカブ」実は相当チャレンジングな作品な気がしてきた。
いわく付きすぎるスーパーカブ
小熊が入手したスーパーカブ、ちょっといわく付きすぎませんか?
ふだんは自転車通学の小熊さん……平坦な道のりでは彼女なりにご機嫌な様子が伺える一方で、上り坂に差し掛かると一転して苦悶の表情が浮かび上がる。
学校では基本ぼっちの彼女にとって、自転車に乗っての登下校はある意味重要なイベントなのかもしれませんね。
そんな彼女にとって、原動機付き自転車は垂涎の的であると同時に、嫉妬の対象でもある。
原付きに乗って帰る他生徒に触発された小熊は、衝動的にバイク屋へと方向転換……けれども価格を見て即座にガックリとくる様子になぜか親近感が止まらなかった。
またこのバイク屋の老齢の店主シノさんがいい味出してるんですよね。
小熊のかまってちゃんオーラと無言の圧に負けたのか、よりにもよって超いわく付きのスーパーカブを出してきた……そのお値段1万円。
すでに三人殺しているという前科持ちのスーパーカブ……小熊はなんの躊躇もなく購入を決めてしまった。
免許も持ってないのに。
幸いシノさんの親切丁寧なサポートのおかげで、小熊はとんとん拍子で免許をゲット、ナンバープレートの手続きもOK、さらにはキャンペーンでメットと手袋も手に入れた。
はじめての原付きがスーパーカブ……JKにはちょっと難易度が高すぎると思うし、何よりカブのいわくが怖い。
けれども、小熊の様子を見る限り、そんな心配は無用のようでしたね。
スーパーカブに乗って自宅へと帰る小熊の姿に、懐かしさがこみ上げてくるものがありました。
「ないないの少女」から「カブのある少女」へ
いわく付きながらもスーパーカブを手に入れたことにより、平坦すぎる小熊の日常が少しずつ変化していく兆しが現れていましたね。
おそらく彼女の日常の中において、大切に思えるような「モノ」はほぼ何もなかったのでしょう。
そんな彼女がスーパーカブを見て、ヘルメットを見て、ニマニマと表情を緩める姿がなんとも微笑ましかったなぁ……。
また、衝動的に夜中にカブを走らせる描写も「バイク乗り」あるあるでひどく親近感が湧きましたね。
そして誰しも一度は経験するであろう、ガス欠トラブル……あの時の絶望感ったらほんとにないですよね。
本来ならばこういった事態になったら、スマホで調べるんだろうけど……彼女の場合、そんな高級なガジェットは持ってない。
シノさんがカブに忍ばせてくれた取説がおおいに役に立っていましたね。
なんとか予備タンクでガソリンスタンドにたどり着き、事なきを得て、見ているこちらもほっとした。
それ以降、こまめに取説を読む彼女の勤勉さと慎重さにますます応援したい気持ちが強くなった。
少しずつ彼女の世界が広がっていく期待感が強まる一方で、まだよくわからない小熊に対する好奇心と心配、そしていわく付きスーパーカブに対する不安など、ちょっと複雑なものはある。
けれども「ないないの少女」から「カブのある少女」へとなったことには、応援したくなる気持ちしかない。
次回がとても楽しみですね。
以上、アニメ「スーパーカブ」第1話「ないないの少女」を視聴した感想でした!
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