ドラマ「半沢直樹(2020年版)」観てますか?
今回でいよいよドラマも最終回。
前回の終わりに言い放った半沢の千倍返し……その結末には誰もが驚かざるを得ないこと請け合いです。
戦え半沢
頭取の裏切りとも言える行為に失意を隠せない半沢直樹……ロスジェネ世代の二人から手厳しい激励を受けていましたね。
正直、半沢の剣道シーンはそれほど好きではないんだけど……骨折を押しての森山と、雄叫び上げる瀬名社長との掛り稽古の演出は、今の半沢の心境にはピタっとハマってたように思う。
半沢が森山に言った「戦え」が、回り回って半沢自身に戻ってきた……とてもいいブーメランだわ。
「ロスジェネの逆襲」の人物たちがこうして登場し続けるのもドラマならではの醍醐味ですよね。
花の誘惑
今回、半沢の奥さんこと花さんがとてもいい仕事していましたね。
箕部の不正融資の件で、笠松に協力を求めたところ……実は白井大臣がまっすぐな政治家であることがわかるのですが……。
そんな白井の心を大きく動かすことになったのが、半沢花だったんですね。
名前の通り、自宅を花だらけにしている中、突然の白井大臣に驚きつつも……白井大臣大好きな花さんは、桔梗の花をプレゼント。
結局、半沢と白井の会話は不調に終わってしまったものの……花から受け取った桔梗に関しては白井大臣の心を大きく揺り動かしていたんですね。
箕部に桔梗を捨てられても……その後、ハンカチに丁寧に桔梗をくるんで持ち歩いてたし……江口のりこを白井役に抜擢した理由がようやくわかったような気がした。
また、今回の花さんの仕事はそれだけでなく……銀行員人生最大のピンチを迎えた夫に対し……「辞めちゃえば?」と明るく笑顔で逃げ道を作ってあげるなど、さすがの半沢もこれにはかなり救われていたように思えた。
これはいい嫁さんだわ……。
半沢も白井も花の誘惑の前には勝てそうにありませんね。
半沢と大和田にまつわる中野渡の真の狙い
中野渡頭取の真意が半沢に明かされていましたね。
結局、中野渡は決して半沢を裏切ったわけではなかったんですね。
第1期のドラマにおいては、不正を働いた大和田は降格にとどまり、不正を暴いた半沢は証券へと出向となったわけですが……そこには中野渡なりの深い考えがあったんですね。
大和田に関しては、行内融和実現に向けて、反発を抑えつつ、過去の膿を出すため。
半沢に関しては、行内の反発から目をそらすべく、証券へと出向させ、外部の経験を積ませると同時に、外から見た銀行の姿を再認識してもらうことが目的だったんですね。
中野渡は大和田と半沢、そのどちらも一流のバンカーと評しており、大和田には過去を、半沢には未来を託すつもりだった。
特に半沢に至っては「頭取になる男」とはっきり断言してましたからね。
まさかここに来て、大和田と半沢の人事を遡ることになろうとは……今回の第2期の最終回は、今までの半沢直樹シリーズの集大成的な感がある。
てっきり頭取にも千倍返しするものと思ったのに(笑)
東京中央銀行の覚悟
中野渡頭取が10年前の真実について、白井大臣にすべてを打ち明けていましたね。
白井大臣は、最初の印象こそ悪かったものの……彼女には後ろ暗いスキャンダルは一切なく、実は花が言ってたとおりのまっすぐでクリーンな政治家だったんですね。
とはいえ、箕部の政治力は決して無視できないものがあり……また、決め手となる証拠を突き詰めきれていないことから、白井は覚悟を決めかねている。
その証拠を突き止めるべく、半沢は黒崎にも協力要請をしているものの……さすがの国税でも確たる根拠がない状態では、リスクが大きすぎるんですよね。
そこで中野渡をはじめとする東京中央銀行勢は、牧野副頭取の真実をすべて打ち明けることに。
はっきりって、この情報を外部の人間に話すということは、東京中央銀行にとっても相当の覚悟を必要とするわけで。
ただ、箕部への問題融資の件については、中野渡頭取にとっても長年の悲願でもあるわけですから……今回のチャンスを逃しては、もう解決などできないと踏んだのでしょう。
はい、千倍返し
テレビ中継される中、半沢が見事な千倍返しを決めていましたね。
債権放棄を巡る最後の話し合いは、マスコミを集めてテレビ放送までされる中で行なわれたわけですが……。
本来ならば中野渡頭取が出席するところ……半沢が代わりに乗り込んできた。
白井大臣協力のもと、半沢は債権放棄を拒絶するだけでなく、舌鋒鋭く箕部をグイグイ追求……証拠の資料にいたっては大和田自らが会場に乗り込み、「はい、千倍」などと台本通りなのか、アドリブなのか、よくわからない絶妙なセリフを吐いていた。
それにしても、ここからの連携プレーはお見事でしたね。
スパイラルの瀬名提供のUSBメモリで、笠松と白井が箕部のパソコンから海外銀行を突き止めると、国税・黒崎の強制捜査でついに箕部の隠し口座を突き止めた。
白井は箕部の盆栽を破壊。
大和田に至っては箕部に耳が遠いフリの倍返しをかましてた……もうこんなの笑いながら見るしかない。
追い詰められた箕部は「記憶にない」ととぼけて逃走しようとするも……白井大臣に退路を塞がれ、見下された後、半沢にも見下されてた。
箕部のおざなりな土下座のやっすいこと。
全国民に向けたテレビ放送の中で、東京中央銀行の問題融資で自らの肉を斬り、箕部幹事長の骨を断つ……半沢の花言葉である「正義」が間違いなくそこにはあった。
その後、箕部は数々の不正が明るみに出て政治生命を終え。
乃原は弁護士協会からの脱退を余儀なくされ、弁護士生命を終えた。
そして、白井大臣は国土交通大臣を辞し、さらには進政党を離党して、ただの一議員としてゼロからの再スタートを切った。
あ、でもゼロじゃないか……笠松という優秀な秘書がいるのだから。
それにしても一番驚かされたのが中野渡の頭取退任と、大和田の銀行辞職でしょうか。
中野渡にとって今回の一連の出来事は、最後の花道を飾るにふさわしいものだったと思う。
半沢の分まですべての責任を背負い込んだのは、半沢が頭取になると信じてるから……トップに立つ人はこうあるべき、という見本のような見事な去り方だったんじゃないでしょうか。
一方で、最後の最後まで期待を裏切らなかったのが大和田さん。
ある意味、大和田ほど半沢を認めている人間は他にはいないと思う反面……間違いなくこの世で一番半沢を憎む人も他にはいないことが改めて証明された。
半沢の父親の件にまで話を遡らせ、お互いに違う価値観と正義を持つことを再認識……あれだけ銀行のために共闘してきたにも関わらず、その実、この二人は不倶戴天の敵であり続けたわけですね。
憎しみをたぎらせ、鬼気迫る大和田からは……何が飛び出すのかわからない緊張感と、それを上回る期待感がとにかく半端なかったですね。
特にお互いの土下座をかけた最後の勝負……もうこれ、憎しみを通り越して、愛しさ千倍くらいになってない?
半沢が頭取になったら、大和田が土下座。
ならなかったら、半沢が土下座。
しかも大和田は銀行をやめて、外部から半沢に戦いを挑むという。
池井戸潤先生には、一刻も早く、このドラマの続編を描いて欲しい。
そう思わずにはいられない、見事な最終回だったと思います。
以上、ドラマ「半沢直樹(2020年版)」第10話(最終回)の感想でした!
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