2020年2月1日公開の劇場版「ゴブリンスレイヤー -GOBLIN’S CROWN」を観てきました。
上映館数のあまりの少なさに不満を覚えつつも、なんとか初日の初回での鑑賞に成功。
結論から申しますと、テレビ版を観続けてきた人は絶対に見るべき、です。
というわけで、今回は劇場版「ゴブリンスレイヤー -GOBLIN’S CROWN」の感想について書きますね~。
劇場版は原作小説5巻のお話
劇場版「ゴブリンスレイヤー -GOBLIN’S CROWN-」は原作小説の第5巻をアニメ化したものになります。
上映時間は60分とコンパクトながらも、テレビ版と同じく、ポイントを押さえた構成で話の展開がスピーディー。
クオリティに関しては、良くも悪くもテレビ版と同等で、特に劇場版ならではの仕掛けがある、ということもありませんでした。
といっても、テレビ版のクオリティが決して低いわけではなく、むしろ安定したクオリティを保ち続けていたので、特に問題はないかと。
それに今回は令嬢剣士という極めて重要なキャラクターが登場したり、牧場戦さながらの大規模戦闘が行われたりと、絶対に見逃したくないものばかり。
特に令嬢剣士は今後もゴブリンスレイヤー一行と関わりを持ち続けるということもあり、今回の劇場版はとても重要な位置付けにあると思うんですよね。
そして見終わった後の満足感がとにかくスゴい……miliの新曲エンディングテーマが余韻をさらに増幅するもんだから、なんかホワホワしてしまった。
残念ながらエンディング後のサプライズは無し……個人的には第2期の予告がなされたりするんじゃないかと期待していたんですけど……これについては引き続き続報を待つしかないか…。
劇場版「ゴブリンスレイヤー -GOBLIN’S CROWN-」は、60分という短い上映時間ということで、令嬢剣士の掘り下げが若干浅い部分はあったものの、全体的に内容がギュッと凝縮された、とてもいい作品だったと思います。
令嬢剣士を完璧に救ったゴブリンスレイヤー
ことゴブリンに関することとなれば、ゴブリンスレイヤーの右に出るものはいませんよね。
油断を疲れた令嬢剣士パーティーと違って、ゴブリンスレイヤーはゴブリンに対して一切油断しないし、隙きも見せない。
こと重要な事に関しては、ゴブリンへの情報漏洩を懸念して仲間達にも秘密にする……この徹底した慎重さは、もう「慎重勇者」を名乗ってもいいレベルだと思う。
ゴブリンスレイヤーは姉がゴブリンに殺されたことをきっかけに、ひたすらゴブリンを殺すことに長い年月を費やしてきたわけですが…そんな彼だからこそ言葉に強い説得力が生まれるんですよね。
ゴブリンスレイヤーは、この世界からゴブリンの存在を消滅させる気満々男……そんな彼だからこそゴブリン被害にあった彼女を心から救うことがことができたんでしょうね。
最後のゴブリンパラディンとの一騎打ちは、今までの戦闘の中でもベストバウトに匹敵する素晴らしい描写だったけど……そこに令嬢剣士の剣を取り戻すというミッションが加わることにより、さらに劇的なものへと昇華させていた。
また、雪崩に流された鞘もあきらめることなく見つけ出し、最終的には令嬢剣士へ剣と鞘の両方を渡すことができていた……まさに完璧な仕事。
ゴブリンスレイヤーに差し出された剣を抱き、泣き続ける令嬢剣士の姿を見たときには、彼女の心もまた完璧に救われたことを実感しました。
いつもながら、ゴブリンスレイヤーは本当にいい仕事しますよね。
剣の乙女がポンコツになるのもよく分かる。
着実に成長している女神官
女神官も話を重ねるごとに、着実に成長している様子が見て取れますよね。
今回の女神官はゴブリンスレイヤーに任されることに対して、戸惑うこともなく自信を持って請け負っていたし、令嬢剣士に対してはとてもきめ細やかな気遣いを見せていた。
常に「大丈夫ですよ」と声をかける姿は、まさに神官の鑑。
そして複数のゴブリン達にも臆する事なく、杖を振り回して応戦したり、戦闘面でも鍛錬をし続けてきた成果が現れていたように思います。
でも一番凄かったのはやはり、雪崩をプロテクションで防ぐシーンでしょうか。
あの規模の雪崩をせき止められるだけでもスゴいんですけど、横でゴブリンスレイヤーが流された様子に動揺しながらも、ちゃんとプロテクションを保ち続けていたんですよね。
心も体も本当に強くなったものですよね……ただお胸の成長に関してはあくまでも未知数ではありましたが……金床の妖精弓手から「成長する」と言われたところで、説得力はまるでない。
安定の銀等級冒険者達
妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶……三人の銀等級冒険者達は、あいかわらず安定していましたね。
途中、妖精弓手が負傷をしていたものの、神業的な弓の腕は相変わらず凄かった……早撃ち、同時撃ち、なんでもござれでとても戦闘映えしてましたね。
鉱人道士は、補助魔法や肉弾戦での安定感ある仕事をしつつ、パーティー内でのコミュニケーションの潤滑油的な役割も果たし、ある意味精神的な「癒やしキャラ」になってるところもありましたね。
蜥蜴僧侶に関しては、基本爬虫類ということで、雪山の寒さに随分と苦労しているようでしたが……持ち前のパワーと奇跡の数々で今回の冒険にとても大きく貢献していました。
そんな彼らが一目置いてるゴブリンスレイヤーももちろん銀等級にふさわしい働きをしていたし、より頭目らしい安定感が出ていたように思います。
戦闘時にはしっかりと仕事を果たし、非戦闘時には和やかに会話を楽しむ……このパーティーの安定感は半端ないものがありますね。
令嬢剣士の試練と苦悩
今回もっともひどい目に遭ったのは間違いなく令嬢剣士でしょう。
商家を飛び出し、冒険者にはなったものの、最初は順調に思えた兵糧攻めによるゴブリン討伐も失敗に終わり、仲間も全滅。
自身もゴブリンに陵辱された後、焼印を入れられ囚われるなど、はっきり言えば死んだほうがましな目に遭うことになってしまった。
ゴブリンスレイヤー一行に助け出されたものの、心の傷は簡単には拭えない。
大切な剣は奪われ、激しいトラウマに苛まれ、ゴブリンへの憎しみは募るばかり。
結果、自身の軽はずみな行動により、みんなを危険な状況へと招いてしまうわけですが…だからと言って悪いことばかりが続くわけではありません。
ゴブリンスレイヤーや女神官達と接するうちに、少しずつ、少しずつ、本来の自分を取り戻していく描写もあるから大丈夫。
そうした積み重ねがあるからこそ、ゴブリンスレイヤーが取り戻した剣を受け取った時の感情の爆発がたまらなく胸を打つ。
最終的には女神官や妖精弓手とメル友になるまでに至るなど、気がつくととても前向きな姿の令嬢剣士がそこにいた。
令嬢剣士にとっては試練と苦悩に満ちた苦しい冒険だったけど、ゴブリンスレイヤー一行との出会いにより、彼女の今後の人生は大きくピボットすることになるんですね。
ああ、早く第2期始まんないかな…。
まとめ
劇場版「ゴブリンスレイヤー -GOBLIN’S CROWN-」を視聴した感想について書きました。
今回の劇場版は上映時間が60分ということで、見る前は「本当に話収まるのかな?」と少し不安だったんですよね。
もちろんそんな不安は杞憂に終わったわけですが。
原作小説第5巻の「雪山」エピソードが描かれているということもあり、個人的には非常に楽しめるクオリティに仕上がっていたと思うし、miliの新曲によるエンディングも素晴らしい余韻を残してくれた。
【結論】これはとてもいい映画です。
以上、劇場版「ゴブリンスレイヤー -GOBLIN’S CROWN-」の感想でした!
- 第1話『ある冒険者たちの結末』
- 第2話『小鬼を殺す者』
- 第3話『思いがけない来客』
- 第4話『強き者ども』
- 第5話『冒険と日常と』
- 第6話『水の街の小鬼殺し』
- 第7話『死へ進め』
- 第8話『囁きと祈りと詠唱』
- 第9話『往きて、還りし』
- 第10話『まどろみの中で』
- 特別編『冒険記録用紙(アドベンチャーシート)』
- 第11話『冒険者の饗宴』
- 第12話『ある冒険者の結末』
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