映画「ペンギン・ハイウェイ」を1日遅れで鑑賞してきました。
「ペンギン・ハイウェイ」とは森見登美彦によるSF作品です。
原作小説は第31回日本SF大賞を受賞。
一方、映画「ペンギン・ハイウェイ」は日本公開に先駆け、カナダ・モントリオールで開かれた第22回ファンタジア国際映画祭で、最優秀アニメーション賞「今敏(長編部門)」を獲得。
小説、映画、その両方ですでに高い評価を得ている作品なんですね。
でも私が観たいと思ったきっかけは、別の映画作品で観た「ペンギン・ハイウェイ」の予告編。
どのようなストーリーなのかは予告編を見るだけではよくわかりませんでしたが、とにかく「面白そうだな」と感じたものですから、もうその時点で「絶対に観に行くぞ」と決めてました。
というわけで、今回は原作未読の私が映画「ペンギン・ハイウェイ」を観た感想について書いてみました。
とにかくペンギンが大量発生
「ペンギン・ハイウェイ」の名前のとおり、物語の冒頭からさっそく大量のペンギンが登場してきます。
それも本来いるべきではない場所に。
ペンギンの生態にあまり詳しくない私ですが、ペンギンってこんな可愛い仕草をするものなのか?としばしペンギン達の愛らしさに見入ってしまいました。
ペンギン推しの人にはそれだけでもオススメかも。
不自然な場所で見つけたペンギンに強く興味を惹かれたのが主人公のアオヤマ君なんですね。
アオヤマ君は「おっぱい好き」の将来有望な小学4年生
アオヤマ君は興味を持ったものは研究せずにはいられない好奇心旺盛な学者肌の小学4年生。
持参のノートには性格を体現したかのようなしっかりとした字と、かずかずの手描きのイラストで埋め尽くされています。
そのノート、売ってたらぜひ買いたいです。
そして読んでみたい。
そんな研究熱心なアオヤマ君ですが、実はかなりの「おっぱい好き」。
探検仲間の同級生・ウチダ君にも「毎日30分はおっぱいのことを考える」と公言するだけでなく、母親とお姉さんのおっぱいの違いについても考察を巡らせています。
まさしく将来有望な少年、それがアオヤマ君なんです。
ウチダ君の素晴らしいまでのヘタレっぷり
ウチダ君はアオヤマ君のクラスメートであり探検仲間。
数々の探検プロジェクトを立ち上げては二人で探検を繰り返し、大人顔負けの地図やノートを残すなど、小学4年生にしてはかなりレベルの高い活動を行っています。
しかしウチダ君には愛すべき欠点があります。
それは見事なまでの「ヘタレっぷり」。
- クラスのガキ大将を前に気絶
- あらゆる場所でよく転ぶ
- ピンチのときにはすぐに逃げ出す
しかし本人は自分のヘタレっぷりをしっかりと自覚しており、ヘタレたあとはしっかりと謝罪をします。
ある意味とてもまっすぐな「ヘタレ」ともいえますね。
釘宮理恵が声を当てていることもあって、なかなかのヘタレっぷりを発揮してくれますよ。
アオヤマ君の好きなお姉さん、もちろん「おっぱいが大きい」
アオヤマ君がよく通院している歯医者さんには、実は心に決めている人がいるんですね。
それは、映画の予告編でも登場していた「お姉さん」。
アオヤマ君のことを「少年」と呼ぶお姉さんは、アオヤマ君にとっては、チェスの師匠であり、理想の顔と大きなおっぱいを持つ、魅力的な女性。
そして謎めいている。
お姉さんの謎とは「投げたコーラがペンギンに変身」すること。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」
お姉さんのこの一言によって、物語は大きな謎の解明につきすすんでいきます。
時折アオヤマ君による、おっぱいについての考察もあります。
物語がどこに向かっていくのかわからない面白さ
「ペンギン・ハイウェイ」は全体的に謎めいていて、物語がどこに向かっていくのかよくわからない、という面白さを持つ作品となっています。
この作品はまごうことなきSF作品なのですが、他のSF作品と違って、SF的な要素はほぼすべて違う物によって置き換えて表現されています。
実際に目にするものが本当にその見た目どおりのものとなっているわけではないので、あまりSFを感じさせないところが、より物語のすすむ方向を「いい意味でミスリード」しているように思いました。
たぶん2回観ても楽しめますね、この作品。
キャラデザがいい
映画「ペンギン・ハイウェイ」、予告編を観たときから思っていたのですが、とにかくキャラデザがいいですね。
特に斬新なキャラクターは登場しないものの、観ていてとにかくスンナリと馴染めるんです。
予告では「お姉さん」に注目しがちだと思うんですが、主人公のアオヤマ君とその家族(妹、父、母)、ウチダ君、ハマモトさん、ガキ大将とその子分、などの主要な登場人物だけでなく、名前もない小学校のクラスメートなど、とにかく観ていて違和感なく馴染む馴染む。
これ映画のイラスト集があったら欲しいくらいですね。
声もバッチリ
主人公のアオヤマ君を演じたのは北香那(きたかな)さんという女優なのですが、今回が声優初挑戦とのこと。
映画の予告編以外の予備知識なしで鑑賞したのですが、アオヤマ君、とてもよかったです。
北香那さんは、おそらく今後も声優としても活躍されることが予想されます。
またお姉さんを演じた蒼井優も、気さくでミステリアスなお姉さんを感情豊かに演じられていて、あらためて女優としての実力を見せつけられました。
ウチダ君の釘宮理恵はまさに鉄板の仕上がり。
アオヤマ君のお父さんの西島秀俊、お母さんの能登麻美子、この二人の演技はアオヤマ君をどのように育ててきたのかが思い浮かび、妹の久野美咲にいたってはまさに「妹!」という他ないくらいの演技でした。
キャラデザ、声ともにとてもクオリティが高かったです。
まとめ~夏のいい思い出になる作品~
映画「ペンギン・ハイウェイ」を観た感想について書きましたが、いかがだったでしょうか?
観終わったあとは少し寂しく感じるところもありますが、将来有望なアオヤマ君がきれいに締めくくってくれるので、いろいろな意味でこれから先への元気を分けてもらった感じがします。
ペンギン・ハイウェイは映画の公開時期と同じ「夏」の季節に繰り広げられる作品なので、公開中にこの映画を鑑賞すれば、夏のいい思い出になる作品となっています。
できれば劇場まで足を運んで観に行ってほしいですね。
映画「ペンギン・ハイウェイ」おすすめです。
逆に私は原作をチェックしたいと思います。
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