2017年8月25日の午後0時15分頃から、全国的に通信障害が発生。
人為的ミス?
サイバーテロ?
ネット証券や、フリーマーケットアプリ、オンラインゲーム、交通系サービス、レンタルサーバー事業者などでつながりにくいとの障害情報が相次ぎました。
ここ数年では見られない大規模なネットワーク障害だったわけですが、この障害の原因とはいったいなんだったのでしょうか?
当初の原因は「OCN」とされていたが・・・
今回のネットワーク障害の原因の大元となったのは、インターネット接続サービス「OCN」。
国内と海外を結ぶ経路の不安定事象により、通信の一部が断続的に利用できない状況が発生していたとのこと。
OCNネットワークのバックボーンに関わる障害だったため、OCNの契約者だけでも個人・法人合わせて800万以上に影響が出たようですね。
またOCNと直接契約していない利用者やサービスについても通信障害の影響が出ました。
午後0時15分に通信障害が発生、午後0時45分に復旧したとされていますが、その後も数時間以上にわたって障害の影響が続きました。
通信障害の具体的な原因は?
OCNの発表によると、設備の故障ではなく海外の経路不安定事象が原因とのことでしたが、詳しい原因について引き続き調査を実施したところ、本当の原因がわかりました。
米Googleから大量の誤った経路情報が流れてきた
今回の通信障害の原因は、米Googleから誤った経路情報が大量に流れてきたことが原因とみられています。
OCNなどのISP(インターネット接続事業者)は「AS番号」という番号で世界的に管理されています。
今回の原因となったOCNと米GoogleのAS番号は次のとおりとなっています。
- OCN:AS番号「4713」
- 米Google:AS番号「15169」
そしてAS番号を持つ組織同士で対等な関係でネットワークの経路情報をやり取りすることを「ピアリング」といいます。
今回の場合、OCN(AS番号:4713)のピアリング先である米Google(AS番号:15169)から、誤った経路情報が大量に送られてきたことにより、OCNを介して接続された企業のルーターに高い負荷がかかってしまい、今回のような通信障害へ発展してしまった、と見られています。
経路制御のオペレーションミス?
AS番号同士の経路情報の制御はBGP(Border Gateway Protocol)というルーティングプロトコルで自動的に制御するのですが、今回の場合、そこに誤った経路情報を流してしまった通信事業者のオペレーションミスが発端ではないかいわれています。
全世界で約10万のIPアドレスに影響
今回の通信障害は全世界で約10万ものIPアドレスに影響を及ぼしました。
そのうち日本国内での今回の影響ついては約2万5千アドレスだそうです。
影響を受けた主要なサービス
- ネットショップ(amazon、楽天など)
- ネット証券(楽天証券、野村證券、SBI証券など)
- ネットゲーム(任天堂ネットワーク、PSNなど)
- アプリ(LINE、メルカリなど)
- ポータルサイト(Yahooなど)
- スマホ、携帯(ドコモ、au、ソフトバンク)
- 交通系サービス(JR東日本のSUICAなど)
- プロバイダ(OCN、BIGLOBEなど)
- 光回線(NTT東日本、NTT西日本)
- コンビニ(セブンイレブンのネットプリントなど)
まとめ
2017年8月25日に発生した大規模な通信障害は、大手通信事業者「OCN」のバックボーン回線の経路不安定事象が原因といわれていましたが、その経路不安定の本当の原因となったのは米Googleによる経路情報のオペレーションミスでした。
誤った経路情報がここまでの影響を及ぼすとは、思いもよりませんでしたね。
いずれにせよ今回のような大規模な通信障害は今までにはなかったことです。
プレミアムフライデーでなおかつ25日の給料日でもあることから、障害の影響もより大きくなってしまった部分もあることでしょう。
いずれにせよ今回の障害によって、ネットワークの基幹部分の大幅な見直しを迫られる事は間違いないでしょうね。
あとは今回のことが今後のプラスとして働くか、マイナスとして働くか気になるところですね。
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