「薬屋のひとりごと」という作品をご存知でしょうか?
「小説家になろう」というサイトで連載されている中国の後宮をモデルに描かれたミステリー作品なのですが、この作品、読み出すと止まりません。
「小説家になろう」に掲載されている作品の大半を占めるのは、いわゆる「異世界モノ」が多いのですが、「薬屋のひとりごと」には当てはまりません。
この独特の世界観と登場するキャラクターの魅力、そして作者の高い筆力で描かれる文章は、読んでいてとても心地良いんですよね。
その中でも主人公の猫猫(マオマオ)の存在感は私の中ではとても大きく、楽しく読みすすめるおおきな原動力でもあったりします。
そんな「薬屋のひとりごと」の主人公・猫猫(マオマオ)の感想について書いてみました。
元花街の薬師・猫猫(マオマオ)がとても良い
「薬屋のひとりごと」の主人公は17歳の少女・猫猫(マオマオ)。
小柄で痩せた体で胸も小さい上に、普段は化粧で「そばかす」をわざと作るなどしているため、少年として見られることもしばしば。
なぜわざと「そばかす」を作るのか?
猫猫はもともとは花街で養父・羅門(ラモン)とともに薬師をしていたのですが、人さらいにあい、後宮に務める下級女官に売り飛ばされてしまった、という経緯を持つからなんですね。
一見、不幸のかたまりの用に見える猫猫ですが、読んでいるとそんなことは微塵も感じさせない、ある「特異」な性質をもっているんです。
毒が大好き!
猫猫は好奇心が旺盛で、日頃から薬や毒に対する研究にとても熱心。
特に毒に対しては異常なまでの執着を見せ、自ら被検体になることが多く、何度も死の淵に陥ってしまうことも。
そんな猫猫の左腕は毒の実験による痕跡がありありと残っているため、常に包帯で隠しているんです。
誰しも嫌がる毒味のしごとを嬉々としてこなす猫猫の様子は、まわりからは異様な光景として映るようですが、本人からすれば毒を摂取できる可能性がある至福の時間だったりするんですね。
自ら進んで毒を摂取しようとする猫猫は、まわりに羽交い締めにされて制止させられることもあり、なかなか主人公としては珍しいタイプのキャラクターになっていると思います。
美しい者への耐性が高い
猫猫(マオマオ)は花街の妓楼で育てられたことから、美しい者や色事といった色恋沙汰への耐性がとても高く、惑わされるようなことはありません。
猫猫の上司にあたる壬氏(ジンシ)は、後宮管理の責任者にあたる宦官長なのですが、その容姿は「性別が違えば国が傾く」とさえ言われるほどの超絶美形の持ち主。
壬氏は猫猫のことをとても好いており、たびたび猫猫に絡んでくるわけですが、そんな壬氏のことをまるで「蛞蝓(ナメクジ)でも見るような目」で見る猫猫は「無駄に美形」と切って捨てる始末。
この二人のやりとりが読んでいて思わず「クスッ」と笑えて、とても楽しいんですよね。
いい関係性だわ。
推理・分析能力が高い
猫猫は自分が興味を持たない分野に関してはとことん無関心なのですが、自分が少しでも興味を持ったことに関しては、類まれなる推理能力および分析能力を発揮します。
少ない情報から推理し、自分なりの仮説を組み立てる。
あるいは、毒の関与が疑われる事件に関しては、使われた材料や状況を分析することで、真相をつきとめる。
などなど、どこかの少年探偵にも負けないくらいの力を発揮する少女、それが猫猫なんですが、実はその特殊な能力は、猫猫の出生に秘密が隠されているんですね。
そこのところは実際に小説を読んで確かめることをオススメします。
物怖じせずふてぶてしい
猫猫は相手が上官の壬氏(ジンシ)であっても、物怖じせずふてぶてしいとも言える態度をのぞかせながら、言いたいことをズバズバ言います。
自分がある程度敬意を示している相手に対しては、多少のオブラートを包んで接しますが、そうでない相手には、けっこう容赦なくいきます。
作者・日向夏の筆力でユーモアたっぷりに描かれる猫猫は、小説の文章でしか味わえないような楽しさにあふれているんですよね。
私はこの「ふてぶてしい」猫猫がとても好きです。
まとめ
「小説家になろう」の連載作品「薬屋のひとりごと」の主人公・猫猫(マオマオ)の感想について書きましたが、いかがだったでしょうか?
「なろう小説」では珍しい種類の主人公だと思うのですが、しっかりとした世界観と設定の中で描かれる猫猫(マオマオ)は、作者の筆力あふれる文体でとても魅力的なキャラクターへと昇華されています。
ミステリーとしても面白いのですが、私は断然、猫猫(マオマオ)の魅力に惹かれて読んでいる部分が大きいですね。
そんな「薬屋のひとりごと」ですが、なんと2018年8月現在の時点では、2作平行でコミカライズがなされているんです。
薬屋のひとりごと(ビッグガンガン版)
薬屋のひとりごと(サンデーGX版)
どちらも面白いのでオススメです!
もちろん小説版もお忘れなく。
薬屋のひとりごと(小説版)
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