「異世界料理道」という作品をご存知でしょうか?
「異世界料理道」は「小説家になろう」に連載されている、異世界ファンタジーに料理モノを合体させた作品です。(そのまんまやん)
つい最近コミカライズもされたばかり。
この作品、個人的には「なろう小説」の中でも一番のお気に入りだったりします。
読み始めるととにかく止まらないんですよね。
というわけで、今回は「異世界料理道」の感想について書いてみました。
主人公は17歳の日本人で料理人の卵・アスタ
異世界料理道の主人公は17歳の日本の少年・アスタ。
正確な日本人名は津留見明日太(つるみあすた)、大衆食堂「つるみ屋」を営む父親を手伝っていた、料理人の卵でもあります。
そんなアスタですが、ある日気がつくと見知らぬ森の中で大の字の状態で目を覚まします。
異世界モノではお決まりの展開ですよね。
女狩人・アイ=ファとの出会い
迷い込んだ異世界の森の中で、イノシシのような巨大な生物「ギバ」に追いかけられたアスタは、誰かのしかけた落とし穴に落ちてしまいます。
その落とし穴のし掛け主は女狩人のアイ=ファ。
美しい容姿を持つアイ=ファは、アスタのことを非常に疑り深い目で見るのですが、アスタの事情を聴取するべく自宅に招き入れます。
森の住人アイ=ファは料理の味に無頓着
アスタを家に招き入れたアイ=ファは晩餐の準備をするのですが、アスタは「つるみ屋」で店の手伝いもしていた料理人のはしくれですから、その様子に興味しんしん。
準備の間に自らの素性をアイ=ファに説明し、一応は納得してもらえ、いざ食事、となるわけですが、ここで大きな問題が。
「不味い!!!」
そう、この異世界の森に住まう住人は、料理というものに対してとにかく無頓着なんですね。
アイ=ファ曰く「食い物に美味いも不味いもない」ですから。
「ギバスープ」でアイ=ファも納得
アイ=ファは料理に対して「美味しさ」というものは一切求めておらず、必要な栄養素だけ確保できれば、あとはどうでもいい、というスタンス。
一方、料理人の端くれでもあるアスタはというと、そんなアイ=ファの言うことに納得できるわけがありません。
自分に料理を作らせて欲しい。
そう申し出たアスタの願いをアイ=ファも了承。
アイ=ファが狩ったばかりの異世界版イノシシである「ギバ」を血抜きするところからはじまり、肉の部位ごとに適切に解体、煮込んだ肉のアク取りなど丁寧に時間をかけて料理するアスタ。
そして出来上がったのが「ギバスープ」。
最初は無言で食べていたアイ=ファですが、ここで初めて「美味しい」ということの本当の意味を知ることになります。
食事は生きるための手段でしかなかったアイ=ファの心を料理で動かしたアスタは、それから様々な創意工夫を重ねて新しい料理を次々と生み出すことになるんですね。
こういった展開は王道ながらも読んでいて心躍るものがありますよね~。
料理を通じて人々と交流、そしてまわりを変えていく
異世界の見慣れぬ食材に苦戦し、まともな調理器具や調味料がない中でも、自分に知識と経験をフル稼働して「美味なる料理」に挑戦し続けるアスタ。
そんなアスタの料理を通じて森から町へ、町から城へ、と活動領域を広げながら人々と交流していく様子がとても丁寧に描かれていて、読んでいてとてもウキウキとしてしまうんですよね。
中でも町の屋台での様々な人々との交流が広がっていく様子や、今まで険悪だった人間との関係が修復、浄化されていくところは、読み手の心の中も洗われていくような心地よさがあるんですよ。
最初は得体のしれないよそ者として邪険に扱われることが多いアスタですが、真摯に料理に取り組む姿勢や、新たなチャレンジ精神で、頑なな周囲の人間の心も動かされていく様は、逆に身につまされることもしばしば。
そんな「異世界料理道」は本当に読んでいて飽きることがありません。
まとめ
「小説家になろう」で連載中の作品「異世界料理道」の感想について書きましたが、いかがだったでしょうか?
「料理道」といいながらも、料理以外の描写部分もとても丁寧に描かれていて、どちらかというと「日常系」といったほうがいい作品となっています。
しかしながら登場人物の数がとにかく多く、それぞれにドラマを持っているものですから、読み応えはめちゃくちゃありますよ!
他の作品ではちょっと味わえない世界観が広がっている「異世界料理道」。
異世界料理道(小説版)
異世界料理道(コミック版)
いつかアニメ化して欲しいな~。
とにかくオススメです!
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