映画「インクレディブル・ファミリー」を鑑賞してきました。
前作「Mr.インクレディブル」から14年もの歳月を経ての続編。
「Mr.インクレディブル」は、ピクサーの中ではめずらしい「現代の人間社会」を舞台に描かれた作品だったのですが、当時劇場で鑑賞した私にとってはピクサー史上最高傑作でした。
当時は間違いなくシリーズ化されるぞ、と思っていたのですが、残念ながらそんな様子はまったくありませんでした。
しかし2018年8月1日、ついに待望の続編「インクレディブル・ファミリー」が公開!
というわけで、今回は映画「インクレディブル・ファミリー」を観た感想について書きますよ。
はじまりは前作の直後!
前作「Mr.インクレディブル」ではラストに地底から現れたアンダーマイナーに立ち向かうところで終わりましたが、今作ではまさしくその続きから始まります。
いきなりクライマックスか!
ぐらいの勢いでとにかく家族全員でアンダーマイナーに立ち向かいながらも、つぎつぎと人々を救出する冒頭シーンはまさしく「つかみはOK」状態です。
本編上映前の同時上映作品「Bao」のことなんて一瞬で吹き飛んでしまいました。
といいつつも「Bao」ではほろりと泣かされたんですけどね。
今回の主役はイラスティガール!
前作「Mr.インクレディブル」での主人公はその名のタイトルどおり、驚異的な肉体と怪力を持つスーパーヒーローことMr.インクレディブルでしたが、今回の主役は奥さんであるイラスティガール。
体がゴムのように伸び縮みする能力を持ち、頭もキレる。
イラスティガールはそのゴムのように伸び縮みする能力を活かし様々なカッコいいアクションで魅せてくれます。
イラスティガールが変幻自在すぎる!
今回の主役はイラスティガールというわけで、前作ではそれほど多くなかった出番が、今作ではこれでもかという位の大活躍を見せてくれます。
ゴムのように伸び縮みするという、もう日本ではおなじみの能力(ルフィ?)なわけですが、そこはピクサー、動かし方が日本人では思いつかないような動かし方をしてきます。
伸びる手足を利用してスパイダーマンのようなアクションを見せたり、体全体を使ってトランポリンやパラシュートの代わりになったりするのですが、一番の見せ場は別にあります。
それはバイクシーン。
イラスティガール仕様に作られたバイクで疾走しながら、能力を駆使する場面があるのですが、劇中で1、2を争うキレッキレのアクションシーンとなっています。
超高速で疾走するだけでなく、バイクが前後に分離、なおかつ体を伸ばして障害物を避ける。
そしてビルとビルとの間は、伸ばした体を振り子のように反動をつけてジャンプ!
とにかく見せ方がうますぎるんです。
まさに変幻自在。
Mr.インクレディブル、今回は家を守るよ
スーパーパワーと強靭な肉体を持つMr.インクレディブルは、外でヒーローとして活躍する妻のイラスティガールに代わって家を守ります。
家事・育児ですね。
ダッシュの勉強、ヴァイオレットの恋の悩み、ジャック・ジャックの謎の能力の覚醒など、悪党とのバトルとは一味違う闘いに苦戦を強いられます。
最初は強がっているのですが、家事・育児の大変さを身にしみて感じると同時に、家族の大切さを再認識するなど、今回のインクレディブルは人間臭くてなんだかとても共感してしまいました。
とはいうものの、もちろん終盤では大暴れするんですけどね。
表情豊かなヴァイオレット
今作で一番表情が豊かでいいな~と感じたのが長女のヴァイオレット。
相変わらずピクサー作品はキャラクターの表情が豊かだな~と思うのですが、ヴァイオレットは特に豊かでしたね。
そんな感情の豊かさに比例するかのように、能力を使った闘い方にもさらに磨きがかかっていいました。
ヴァイオレットの能力はバリアと透明化があるのですが、今回はバリアの使い方がとてもユニーク。
こんな使い方もできるのか!と思わせるようなシーンもあり、観ているこっちの頭が柔らかくなるような気がするくらい。(気のせいだと思うけど)
個人的にはボーイフレンドが働くレストランで見せるヴァイオレットのある行動が爆笑ものでした。
ダッシュは家の中と外のギャップがいい
長男のダッシュは時速300kmという超高速移動で走り抜ける能力を持つスーパーヒーローの卵。
冒頭でのアンダーマイナーとの闘いのときには、その超高速走行で多くの人々を助けます。
超高速走行は能力としてはとても単純なものかもしれませんが、観ているとかなりスカっとするんですよね。
家の中では学校の宿題をパパやママに教えてもらったり、テレビを観てキャッキャしたりと年相応の子供っぽいのですが、家の外ではその能力で悪党と対峙したり人助けしたりと、とてもいい具合に「ギャップ」があって観ていて楽しいキャラですね。
ジャック・ジャックはヤバイ!
家族は1つか2つしか能力を持たないのに対し、ジャック・ジャックは次のように複数の能力を持っています。
- 壁を通り抜ける
- テレキネシス
- 空中浮遊
- 怪力
- パイロキネシス
- 目からレーザー
- 体が餅のように伸びる
- 分身
- 電撃
- 異次元にテレポート
- 巨大化
- 変身
まさしくスーパーパワーの持ち主。
はっきりいってヤバイです。
いったい何個の悪魔の実を食べたのか?(違う)
前作「Mr.インクレディブル」の終盤で能力に覚醒したものの、家族の誰もその事実は知らず、今作でとうとう発覚した、というわけなのですが、とにかく能力の数が半端じゃありません。
そんなジャック・ジャックで一番見応えを感じたのはアライグマとの対決。
数々の能力を発揮しながらアライグマとガチンコ対決するシーンは、何が起こるかわからないワクワク感があり、とても見応えがありましたね。
やっぱりフロゾンはカッコいい!
フロゾンはインクレディブル・ファミリーとは家族ぐるみで付き合いをしている古くからの親友。
その能力はまさにアナと雪の女王、じゃなくて青キジでもなくて、「氷結」。
物語の冒頭から終盤にかけてダイナミックに滑りながらバシバシと氷結させていくところは、ある意味インクレディブル・ファミリーよりもカッコいい!
まさにスーパーヒーローらしい能力の持ち主ですね。
ほんとうに味方で良かった。
ほかにもスーパーヒーローが多数登場
今作では日の目を観ることがなかったヒーローも多数登場します。
Mr.インクレディブルやイラスティガールのように知名度はありませんが、決して侮ることができない能力の持ち主ばかりです。
ヴォイド
- イラスティガールの大ファン
- ワープホールを自在に作り出す能力を持つ
へレクトリクス
- インテリ風のひねくれた印象のヤセ男
- 電気を自在に操る能力を持つ
ブリック
- オネエ言葉を使う巨漢
- 体を巨大化、硬化、強化する能力を持つ
スクリーチ
- フクロウのような姿をしている
- 夜でも目が効き、飛行できる
リフラックス
- カエルのような見た目のおじいちゃん
- ゲロのような胃酸を吐き出し、物を溶かす
クラッシュアー
- 筋肉質なゴリラのような大男
- 手で触れることなく物体を押しつぶす能力を持つ
中でもイラスティガールの大ファンのヴォイドの能力はなかなかの見ものでしたよ。
「インクレディブル・ファミリー」そのタイトルの意味を実感
前作のタイトルが「Mr.インクレディブル」なのに対し、今作は「インクレディブル・ファミリー」。
順当に行けば「Mr.インクレディブル2」とか「Mr.インクレディブル○○」といったタイトルになったと思うのですが、なぜ「ファミリー」?
実際に鑑賞するまでは少し疑問だったこのタイトルですが、観終わったあとはこのタイトルを見るとなんだかしみじみと実感してしまいました。
ヒーローとしての活動は自分らしく生きるためだけでなく、なんだかんだいって生活がかかっているということ。
最後にヒーローとしての権利を取り戻し、家族みんなでヒーローとして現場へと向かうさまは、全員イキイキとしていて、とても気持ちのいい締めくくりだったと思います。
エンディングもノリノリで爽快でしたしね!
近い内に次回作が登場することを期待したいところです。
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