映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」を鑑賞してきました。
「銀魂」は週刊少年ジャンプで連載中の空知英秋による人気SFアクション・コメディ作品。
2006年にはテレビアニメ化、2017年には映画化もされましたね。
そんな「銀魂」ですが、早くも映画「銀魂2」が公開された背景には、やはり前作の映画版のヒットがあるのでしょう。
というわけで、今回は映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」の感想について書きますね。
原作の「銀魂」と福田監督の「銀魂」とても相性がいい
空知英秋原作のマンガ「銀魂」はいろいろなパロディが盛り込まれた、いわば「なんでもあり」な作風ですよね?
そして映画「銀魂」の監督は、「勇者ヨシヒコ」や「アオイホノオ」、「HK 変態仮面」などの人気ドラマ・映画でおなじみの福田監督。
特に「勇者ヨシヒコ」についてはやっぱりパロディが多く盛り込まれていて、好きな人にはたまらない作品となっています。(私も大好きです)
このようにどちらも「パロディ」を好んで取り入れている作風なので、実際に鑑賞していてもとても相性がいいな~という印象を強く受けました。
映画「銀魂2」は「将軍接待篇」&「真選組動乱篇」
映画「銀魂2」は完全オリジナル作品というわけではなく、原作マンガのストーリーを元に作られています。
今回公開された「銀魂2 掟は破るためにこそある」は、原作マンガでいうところの「将軍接待篇」と「真選組動乱篇」がベースになっています。
どちらもマンガで高い人気を誇る場面ですよね。
将軍接待篇(コミック)
真選組動乱篇(コミック)
アニメ版
冒頭からたたみかけるギャグのオンパレード
映画「銀魂2」ですが、始まってすぐ、というか始まる直前?くらいからもうギャグで飛ばしまくってます。
本編始まったか?と思いきや・・・。
銀時・銀八・神楽の前説(声だけ)がはじまる
- 前作の映画「銀魂」で小栗旬が日本アカデミー賞を取れなかったこと
- というか過去に一度も小栗旬が日本アカデミー賞を受賞したことがないこと
- 一方、菅田将暉は日本アカデミー賞を受賞したこと
- 菅田将暉の私服がダサい、歌まで出して調子にノッてること
後半になると小栗旬が日本アカデミー賞への放送できないような「ピー発言」を連発し、もはや何を行っているのかさっぱりわからなくなる始末。
これDVDとかブルーレイでは「ピー発言」が聞けるとかいう落ち?
「NO MORE 映画泥棒」?
前説が終わり、ようやく本編?と思いきや今度は、桂小太郎とエリザベスによる「NO MORE 映画泥棒」のパロディ。
後ろの席で驚いている女性もなんと本物の「NO MORE 映画泥棒」に登場する女優・ティアラさんを起用するなど、なかなかの凝りようです。
やっと始まったな~と思いきや、今度はキムラ緑子演じる「お登勢」の壮絶な家賃取り立て催促。
とくに銀時へのアッパーカットはかなりの切れ味でした。
緑子さん、いい仕事してますね。
とにかくこの作品のギャグに対するこだわりは演出・役者ともに、とてもゴージャスですよね。
命運を賭けた?ギリギリ(アウト?)を攻めるパロディ
今回の映画「銀魂2」もかなり際どいギリギリ(アウトやろ)のラインを狙ったパロディギャグをグイグイとぶっこんできます。
- 床屋のバイト中に「ゴルゴ17」の18巻を探す神楽、返しに来る松平
- 「ワンピース」の最新刊と「ドラクエ11」を探しまわって真選組の会議に遅れる土方十四郎
- ブラック・ジャック?の姿で登場する六角精児。(ピノコもいるよ)
まだまだこんなもんじゃありませんよ。
ほんとに大丈夫か?まさかのエヴァンゲリヲン!
ヘタレオタク脳チップに精神を完全に支配される寸前の土方を元に戻そうと、VRで精神の治療を試みるのですが、そのシーンがとにかくヤバイ!
銀魂2版エヴァンゲリヲンのキャスティング
- 碇シンジ(土方十四郎)
- 碇ゲンドウ(神楽)
- ミサトさん(坂田銀時)
- アスカ(源外)
- 綾波レイ(新八)
特に源外(ムロツヨシ)のアスカがあまりにもオリジナルとかけ離れているのですが、とにかくみんなヒドかったです。
これテレビで放送できるのかな?
トトロの猫バス?いや違う!アライグマバスだ!!
真選組と鬼兵隊が激しい攻防を繰り広げる中、土方とともに戦う銀時たち。
しかし、戦場では姿を見せない河上万斉。
敵の本当の狙いは将軍にある、と聞いた銀時たちですが、将軍がいる場所は戦場から遠くはなれており、今からではとうてい間に合わない。
そこでかけつけたのが、とてもヤバイ「例のバス」。
映画「となりのトトロ」に登場する「猫バス」にそっくりなバスに乗って登場する源外。
新八がそのことを指摘するが、源外がいうには「アライグマ」だという。
その証拠に手に持ったリンゴを洗っているというのですが、一番最初に乗り込んだ銀時はこう叫びます。
「メイちゃーん!!」
新八、残念だったね。
銀魂2のサブタイトルは「掟は破るためにこそある」は、これらのぶっこんだパロディのことを指しているだけなのかもしれません。
銀魂3の公開はあるのだろうか・・・。
パロディ・ギャグだけじゃない!アクションもしっかり見せる!
映画「銀魂2」の見せ場は何もパロディ・ギャグだけではありません。
アクションシーンもしっかりと見せてくれます。
中でも銀時と河上万斉のバトルは本当に見ものでしたね。
今回初登場の河上万斉を演じるのは演技派俳優の窪田正孝さん。
河上万斉こと人斬り万斉は剣の腕もさることながら、一番の特徴はやはり三味線の弦を使ったトリッキーな戦法ですよね。
映画版ではこの弦を使ったワイヤーアクションの見せ方がとても秀逸で、窪田正孝さんの身体能力の高さと動作のカッコよさがとても際立っていました。
小栗旬に関しても高い身体能力に加えて、カリ・シラットなどの格闘術も取り入れているため、銀時と万斉の対決シーンは見ていてとても説得力がありました。
ギャグやアクションだけでもない!シリアスシーンもしっかり見せる
今回の話のベースになったのは「将軍接待篇」と「真選組動乱篇」ですが、「将軍接待篇」は主にギャグがメインですが、「真選組動乱篇」はどちらかというとシリアス寄りの内容となっています。(もちろんギャグもあるんですが)
そして真選組動乱篇でのキーマンといえば、土方十四郎(ひじかたとうしろう)と伊東鴨太郎(いとうかもたろう)。
土方は前作に引き続き柳楽優弥、伊東は三浦春馬が演技をつとめています。
個人的に思ったのが「柳楽優弥」ってこんなにかっこよかったっけ?ということ。
私の中での「柳楽優弥」といえば、同じ福田監督の作品「アオイホノオ」の主人公・焔燃(ほのおもゆる)ことホノオ君。
ホノオ君といえば柳楽優弥、みたいな感じになっていたので、今回の銀魂2の土方を見たときは「え?柳楽優弥ってこんなかっこよかったっけ?」とずいぶん驚かされました。
今回の銀魂2で演じた土方は役のフリ幅がとても広く、ギャグとシリアスの間だけでなく、人格そのものが大きく揺れ動くとても難しい役どころだったと思うのですが、そこは見事に演じきっていましたね。
また土方の宿敵ともいえる伊東を演じた三浦春馬。
前情報なしに見たものですから、エンドロールを見るまでは伊東が「三浦春馬」だとは全然気づきませんでした。
年齢を重ねたことと、役者としての経験を積んだことで、より深みのある演技だったと思います。
そんな二人が絡むシーンはギャグ要素がほとんどなく、重大な局面にかかわることが多かったため、なかなか見ごたえのあるシリアスなカットになっていました。
掟破りのパロディ・ギャグや、見応えのあるアクションだけでなく、シリアスシーンもしっかりと見せる。
映画「銀魂2」はそんなボリューム感のある作品に仕上がっています。
まとめ ~来年は銀魂3か?~
映画「銀魂2」を鑑賞した感想について書きましたが、いかがだったでしょうか?
やはり全体的にパロディ部分に期待して観に来るひとが多いのでしょうか?
劇場内ではとにかく笑い声が絶えない、なごやかな雰囲気が漂っていました。
「え?ここで笑う?」というようなところでも笑い声が聞こえたりするなど、全体的に笑いの沸点が低いな~という印象もうけました。
おそらくですが、他の人にはわかりにくいパロディも幅広くキャッチできる人がいたのでしょうね。
逆に言うと、これらパロディの内容がほとんどわからない人にとっては、映画「銀魂2」はとてもつまらない作品だと感じてしまうかもしれません。
私の場合はパロディ部分もそこそこ拾えていたことと、好きな役者さん目当てだったことから、とても楽しく鑑賞することができました。
客席もかなりの数が埋まっていたので、今作もおそらく大ヒットするものと思われます。
よって順調にいけば来年2019年には映画「銀魂3」が公開されるかもしれませんね。
期待してますよ~。
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