映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を観てきました。
キャラデザ・作画が素晴らしい
ガンダムUC以降、ようやく求めていた本筋の映像化が続いてきたわけですが……今回の「閃光のハサウェイ」もまたその流れを汲んでいましたね。
とはいえ、個人的にはハサウェイというキャラクターに関してはあまりいい印象を持っておらず……あまり感情移入はできないものと思ってた。
そんな杞憂はものの数分で消し飛んだ。
近年のアニメ作品はキャラクターの若年化傾向が著しく、いざ読んでいた小説がコミカライズやアニメ化された際に、見た目のギャップが生じることも少なくない。
けれども、閃光のハサウェイに関しては、これまで積み重ねてきたガンダムの歴史であったり、今作がより人間ドラマを重視していることもあってか、キャラデザインがとても大人びているんですよね。
そして冒頭で真っ先に目を引くのが美しいCAたち……決して主要なキャラというわけでもないのに、この作画の力の入りっぷりになかなかテンション上げられましたよ。
また、ガンダムは作品の性質上、3DCGとの相性が抜群にいいんですけど……状況に応じて2Dでもちゃんと魅せてくるんですよね。
背景に関しても、今回の主な舞台は地球ということで、美しい景色の多々描かれており、今まで見たガンダム作品の中でも最高レベルのクオリティなんじゃないでしょうか。
歴戦の男ハサウェイ
個人的には、はっきりいってハサウェイってあんまり好きなキャラではなかったのですが……今作を見てその印象が180度変わりましたね。
見た目なよってしてるように見せかけて、その実戦闘能力は非常に高く、冒頭でのハイジャックの時には、電光石火の身のこなしでテロリスト達を次々と鎮圧。
少し詰めが甘い部分はあったものの、ハサウェイの格闘能力の高さには本当に目を惹かれましたね。
また、ハサウェイには思いもよらぬ裏の顔があるのですが……それが明らかにされていく過程も上手に描かれているんですよね。
匂わせる描写は多々あるものの……本人の風貌や佇まいからでは、なかなか確信までには至れない。
そんな絶妙なバランスで終始描かれるものですから、見ている内にハサウェイに対する関心がいやがおうにも高まってしまうんですよね。
あのハサウェイがこんな歴戦の強者へと成長を遂げるとは。
鷹の子はやっぱり鷹なんですね。
ただし、思想的には父とは逆方向へと行ってしまったようですが。
ギギ・アンダルシアの魔性の魅力
今作のヒロイン、ギギ・アンダルシアの魅力が半端なかったですね。
美しい金髪に、美しいボディライン、そして神秘的な色彩を持つ美しい瞳に加え、ときに怜悧で、ときに幼く、ときに超常的な印象を与える彼女から、とにかく目が離せない。
「閃光のハサウェイ」はより大人向けの作品を意識してるのか、ときおりギギを通して大人っぽい表現がちらほらと見られ、中でもアップに映し出された唇や、恋人のように絡ませる指の表現などなど、目が幸せになるシーンが多かった。
彼女の素性についてはほとんどわからない部分が多い……けれども、その謎多き部分もまた彼女の魅力を一段引き上げているようにも思える。
ハサウェイ本人も心の中で強く否定しつつも、どうしても彼女に惹かれてしまうようでしたしね。
おそらくはクェスに似た部分を感じたからでしょうか。
そして皮肉なことにギギの存在は、今後ハサウェイの大きなアキレス腱になる可能性が高い。
二部以降の二人の関係が非常に気になるところですね。
容赦のない市街戦
今作の中でも最も見どころの一つだと感じたのが市街戦。
大抵の場合、モビルスーツ視点で描かれることが多いのですが、今回はモビルスーツの戦いを見上げる市民の立場を軸に描かれているんですよね。
だから、次々と破壊される街の描写のその先には、次々と死んでいく一般市民も多数いる。
ハサウェイとギギも今回はその中で逃げ惑うこととなるわけですが……実際、このまま本当に死んでしまうんじゃないかと思うくらい、ハラハラさせられるものがあった。
個人的には市街戦といえば「ガンダムF91」でのバグによる大量虐殺が真っ先に思いうかんでしまうのですが……今回の描写はそれに匹敵する恐怖感を煽られましたね。
そういえばF91も作画が美しかったなぁ……。
モビルスーツを主軸に描くだけでは決してわからない臨場感が今回の市街戦にはぎっしりと詰まっていたように思います。
ガンダム vs ガンダム!
ハサウェイが搭乗してのガンダム同士の戦いが見ものでしたね。
今回はプロローグ的展開が中心になるものと思っていたので、正直なところモビルスーツの搭乗にはあまり期待はしていなかった。
上映時間も95分と短めだし……メインは第2部以降かな? とか思ってた。
全然そんなことなかった。
終盤に来て、ハサウェイが満を持して隠していたガンダムに乗ってからは、連邦側の新ガンダム「ペーネロペー」と一騎打ち。
双方ともに「これガンダム?」というくらいに、複雑なデザインだったもんですから、正直どっちがどっちかわからなくなる事がちょいちょいあった。
けれども、ガンダム同士の戦いはやっぱりテンションが上がりますね。
といっても、劇中の時代では「ニュータイプ」なるものの存在を隠匿している傾向があることから、ハサウェイとレーン・エイムとの戦いでもニュータイプを意識させるような場面はありませんでしたね。
UC(ユニコーン)とNT(ナラティブ)で行くとこまで行っちゃった感あるからなぁ……。
ただ、そういったニュータイプ要素とは別に、今回はガンダムの変形要素が取り入れられているもんだから、特に気するほどのものでもなかったです。
逆に、最後の最後でガンダム同士の戦いをぶっこんでくれて、むしろ感謝したいくらい。
三部作の第一作目としては申し分のないクオリティであることだけは間違いないでしょう。
今から第二部の公開が楽しみでなりません。
以上、映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の感想でした!
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